ある訴訟を第一審から控訴審まで勝ち抜いて、お客さまは3ナンバーのドイツ車が新車で買えるほどのお金を手にされました。
この訴訟もちろん過払いではないので、佃煮にするほど書類を書き出張調査をし泊まりがけでの尋問対策演習を複数回おこなうハメになった僕はといえば…国産5ナンバーの普通乗用車なら新車で買えるのもあるかな、という程度のお金をいただいています。
これらの入金を得て、本日は当事務所創立以来最初の大入り袋を補助者さまにお渡しすることができました。満足であります。
さて。
僕が独立開業直後に1部2円のチラシのポスティングのアルバイトをやってた時盗まれたBrompton(折りたたみ自転車)をこの報酬で買うんだ、と昨年までは力んでいたのですが、敵の代理人がの~んびりと上告受理申立をやってくださってるあいだに少々気が変わってきました。
このお金、漫然と使っちゃいけない気がするのです。それどころかこのままでは完全に手放す気が失せる可能性がある、ということで今日大慌てで補助者さまにまず分配した、と(笑)
この残りを消費してしまうよりは、なにかお金を生み出すことに使ったほうがいい、それも漠然とわかっています。仕事の終了に比してあまりにも報酬支払い実現の時期が遅れたため、この報酬が臨時収入に見えてしまう。どうせならこのお金を、思い切って事業に投資して勝負に出てみたいな、と。
で、何をやるか?
ウェブ以外のリアルな媒体に思い切り債務整理の広告を出す、というのは…無芸に見えます。いけません。
その他の業務でウェブ以外の媒体への露出を考えるのは、実はあまりよくありません。ウェブ以外の経路で来られる方は四六時中事務所の電話が通じることを期待されたりメールを使えなかったりすることが多く、ウェブサイトからのお客さまとそうでないお客さまは僕からみてだいぶ違うのです。
-この辺から少しずつ身勝手になってきます。どうしようもない零細事業主なんてだいたいそんなもんですが-
じゃあPPC広告(検索キーワードに応じてでてくるあの広告です。一時期の過払いでは1クリック数百円の広告料を出してたところもあったはず)を思い切り高いレートで出しまくるか?相続登記あたりで?
それをやっても、流入させる当事務所ウェブサイトのページが貧弱だったら駄目じゃんね。もっと景気よく素人さんをだませるサイト作んなきゃ…あなたの笑顔が見たいとか24時間無料相談とか、私は町の法律家です、とか(←いまどきこんな見え透いたセールストークに引っかかる人いらっしゃるんですかね?)
この辺まではいつもの冗談です。そこから先、ふと考えたのです。
どうせウェブサイトを作るなら、いよいよ専門業者に外注したらどうだろう?補助者さまに聞いてみます。
「(今回もらったお金を)半分使ってウェブサイトを作ろうと思」
うんですが…と言い終わらないうちに、大事なお菓子にアリがたかってるのを見ちゃった幼児のような顔をされました。
何か壮大な無駄、の可能性を彼女に見せてしまった気がします。
でも、一般的には司法書士や社労士がHTML文書を自在に作ることはなく、ゆえにウェブサイト作成は通常、外注に出すものであっていまどき本職がテキストエディタでHTML書いてSEO対策して望みの分野で集客してる、なんてのは通常ないんですから!と説明したのは先週のこと。そう。実はこれまでやってたことが普通じゃなかっただけで(笑)
ではウェブサイトを大増強するために数十万円ポイと出す、これはいいとして何をしましょう?
- 手っ取り早く売り上げにつながりそうな、誰もがやってる分野がいいか?
- あるいは、すでにウェブで仕事が取れてる労働紛争がいいか?
前者はまさに大競争に放り込まれることになります。抵当権抹消登記千円台を標榜する同業者さんには興味ありますが、どうも自分がそうなりたい気分はしません。いたずら半分で抵当権抹消980円、とかいうPPC広告を出して潰しをかけてみたい、という気はします。誰でもできる分野で安さに依存する、というのはつまりそういう危険をはらんでおり、先がない。
後者はどうでしょう?当事務所ウェブサイトが多すぎる文字情報を保有していることは、かえって顧客と依頼を選別し遠ざける効果を持っている、と補助者さまや心あるお客さまがお気づきです。
これをもう少し間口を広くするとどうなるでしょう?以前僕が見に行った関西の社労士さんは、月に数百件のメールでの労働相談を受けて相談だけで百万円超を稼ぎ出し、一方で数十万円の広告費を使っていると豪語していました。
…で、この人のウェブサイトなんですが今は情報商材の販売に転業されたみたい(爆)
何事も無理は続かない、それは了解できます。あるいは彼が労働紛争を金儲けのネタとしてみていたならば、彼にとっては情報商材の販売で働かなくても収入が得られる状態の実現こそが理想だったのかもしれません。正解は彼の成果と僕の現状のあいだにありそう…というより、あってほしい。
要はある程度できのいい=これまでより多くの人が僕に労働相談を依頼したくなってしまうようなウェブサイトを新設し、PPC広告の出稿量を調整することで依頼の量が調整できるのではないかと思うのです。そうしたいなら、むしろこれまであまりコンテンツを保有していない登記や相続よりも、まず今仕事がもらえている労働紛争分野でウェブサイトを新設してみるのがよさそう。この場合、現存のウェブサイトとの整合性が問題になりますがこちらは手を着けず、あらたなドメインをとってサイトを新設し、既存のサイトは一切無関係、ということにしたほうがいいかもしれません。自分のライバルになるウェブサイトを自分の費用で作ろうとしてるような気もしますが、どうせ今でも一部のキーワードではブログとdaishoyasan.jp配下のコンテンツで競合が起きています。いっそ新設する綺麗なウェブサイトを表、現存の●●なウェブサイトが裏、と考えるのもよいかもしれません。そういう工作をすると、だいたい裏のほうが活気がでるものです。
結局のところ、これまで醤油で煮しめたような山あいの温泉宿を経営してた親爺が、バブルに踊ってビーチにリゾートホテルを新設しようという計画なんですよ、でも温泉宿のほうは今後も健在ってことで…とお客さまに申し上げたら楽しげに笑われました。
説明として、不適切だったでしょうか?
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