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昨日はインカレ最終日。決勝レースを観戦した。
決勝レースを自転車で伴走したのはM1XとM8+。両方共見応えのあるレースだったので、印象を纏める。
本レースの決勝組み合せと予選、順位決定の持ちタイムは以下の通り。
発艇前に予想したレース展開は、土曜日のログに纏めた通りだが、決勝レースという事もあり、スタートは皆思い切り飛ばして来ることが予想された。
母校の後輩であり、伊藤選手のW.Upにずっと付いて伴走したが、見たところ、今一、トップスピードでのアップが不足している様に感じた。また、ずっと見ていたが、静止スタートの練習をやっていない様にに見えた。(本人に後で確認したら、静止スタート練習やったとの事。。。)何れにせよ、決勝本番では静止スタート及びトップスピードでの飛び出しがレースの如何を決める要素でもあり、W.Upではこの点を確りと確認する必要がある。しかし、客観的に見るに、彼のW.Up内容からは、その意味を十分に理解できているとは思われなかった。(コーチではないので、その点は指摘することはしなかったが。。。)
スタートでの飛び出し、大丈夫かな?と心配しながら見ている中、レースがスタートした。絶対に勝つぞという凄い意気込みで栗原が猛然とスタートダッシュを決める。スタートの1Qの強い吉原や井上もこれに続く。果たしておやじの危惧した通り、伊藤のスタートは、普通のタイムトライアルのような力感の感じられないスタート。栗原のダッシュは250m以降も続き、300mでは早くも後続と水が空いた様に見えた。一方、伊藤は出遅れ、500m通過時は一人トップ争い圏外で漕いでいた。その後、栗原の独漕は続き、2位の吉原は1Qの疲れが出たかペースが落ちてきた。ここで伊藤が吉原を捕らえ、1000m通過時には1シート程吉原を抜いた。但し、1位の栗原との差は5秒あり、完全に水が空いていた。3Qは、3人の艇差は殆ど変わらず1500m通過。1600m付近で3位を漕ぐ吉原が伊藤を抜くべくロングスパートを入れ、伊藤を捕らえ、逆に1シート程のリードを奪い返す。2人の長いスパート合戦は1900mまで続いた。この間、2人はトップを行く栗原との艇差をミルミル詰めて行く。そしてラスト100mを切ったところで、伊藤が渾身の力でダブルスパートを入れ、一気に吉原を抜き去り1シート程度の差を付けゴールイン。銀メダル争いに勝ち、見事、東大のインカレM1X史上最高成績の銀メダルをゲット。ラストQのスパート合戦は見応えがあった。各Q毎のラップは以下の通り。
上記のラップを見て分かる通り、伊藤の500m以降のタイムは優勝した栗原より速い。要するに1Qタイムで栗原はこのレースの勝ちをモノにしたという事だ。ボートという競技は、特に決勝ではタイムでなく、着順を競う競技である。良いタイムが出た方が良いが、タイムを狙ってイーブンペースでスタートで出遅れると、スタートで飛ばしたクルーからみれば、イーブンペースで漕ぐ後続のクルーは、ペースメーカーとなってしまう。先行するクルーは、後続クルーの背中を身ながら、後続のペースに併せてトップをキープして逃げ切れば勝ち。だから、ボート競技では1Qでの出だしが重要となる。優勝した栗原は、その事をよく理解しており、無理をしてでも1Qを飛ばした訳である。これに対し、伊藤はトップレベルでの厳しいレースの経験に乏しく、この事を十分に理解していなかった結果、こういうレースをしてしまったのだと思う。彼が、今後、トップスカラーの仲間入りをするつもりがあるのなら、今回の失敗を反省すべきところ。この辺りが超一流と並みの一流を分ける境界と思う。昔、武田選手がインカレで優勝を逃した時に、「銀メダルは欲しくない」と捨てたという話を聞いた事がある。 やはり超一流選手は、勝ちへの拘りが超一流なのである。
本レースの決勝組み合せと予選、順位決定の持ちタイムは以下の通り。
日頃の漕ぎや準決勝の漕ぎを見るに、日大の優勝は堅いと誰もが予想。これに対し、昨年2位の仙台が如何なる戦術で日大に迫るかが見所。折からの微順風の好コンディションの中、スタートが切られた。4クルー共、1Qで頭を取ろうとして猛然とダッシュをした。500m通過時は仙台がカンバス程度リード。でも日大は全く動じず、マイペースで追い上げる。1000m通舵には仙台を交し、ドンドン差を広げつつ、グイグイ艇を走らせていた。この辺りで順位は確定。後はタイムがどうなるか。結果、日大のタイムは5分42秒で、戸田のコースレコードとなった。素晴らしい。
このタイムは、当面、国内のエイトクルーの目標となるだろう。大林コーチの造った芸術品的クルーに乾杯。
以上
SUN
2010/09/13 13:30
琢磨選手のレースに対する気構えの不足、レース展開の策の無さ、まだまだと思いますが、見事、「銀」です、素晴らしいですね。