【コラム】東南アジア女性は離婚してはいけない!?

 国立民俗博物館では現在、異色の展示会が開催されている。「多文化特別展―私の名前はマポポ、そしてキム・ハナ」展だ。韓国に来て家庭を築いた女性たちの所持品を通じて「多文化家庭(国際結婚家庭)」の日常を見詰めるという展示だ。来韓する際に、ふさわしい手土産がなかった貧しく幼い新婦たちの中には、祖父の歯を持参する人もいた。歯科検診など受けていないとみられる傷んだ歯を見ていると、なぜかより寂しい気持ちになる。ベトナム、フィリピン、中国、インドネシアなどの国から来た女性たちの所持品を目にするだけでも、韓国社会がどれほど急速に異文化と混ざり合っているのかを知ることができる。異国の女性の所持品が、韓国の「民俗」博物館に展示されたというのは、今後このような女性たちの人生も、時間がたてば「韓国の民俗と歴史」になるということを意味している。展示会のタイトルに名前が使われているマポポさんとキム・ハナさんは、韓国人男性と結婚して移住してきた女性であり、この展示会には企画者として参加した。

 キム・ハナさんは今、離婚して一人で暮らしている。展示会を紹介する記事を読んで、当初は当然夫がいる女性が対象だろうと思っていた。「東南アジアの女性には夫がいる」、このことを当然の事実だと思っていた。なぜなら、東南アジアの女性たちは韓国人男性と暮らすという条件で韓国に来たためだ。それなのに一人で暮らしている? もちろん、それも当然のことだ。なぜなら、結婚は個人の意志によって選択することができ、意志によって解消することができる社会的契約だからだ。ところが、自分自身は、移住した女性も離婚することができるということを長い間忘れて暮らしていた。恥ずかしかった。

朴垠柱(パク・ウンジュ)文化部長
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