【コラム】東南アジア女性は離婚してはいけない!?

 そして、再び恥ずかしい事件に直面した。統営(慶尚南道)のアルムちゃん事件(幼い少女が暴行殺害された事件)の犯人、キム・ジョムドク容疑者が逮捕された際、メディアは容疑者について「家庭がある平凡な男」と紹介した。ところが、その家庭は「ちょっと違う平凡」だった。キム・ジョムドクは性犯罪を犯し、4年間服役した後、出所直後の2009年、23歳年下の妻と結婚した。当時、ベトナム出身の妻は19歳だった。キム・ジョムドクが捕まって初めて、妻は夫が前科者だったことを知った。

 このようにだまされた外国人女性は少なくない。教師だという夫が実は窃盗犯だったとか、夫が強盗・強姦(ごうかん)未遂犯だということを後で知った外国人妻もいる。このような問題が知られるようになり、韓国は2010年、結婚仲介業者が依頼者の犯罪経歴照会書を相手側の国に提供するという規定を制定した。しかし、この協約を結んでいない国もある上、この規定を守っていない違法な結婚仲介業者も多く、書類が捏造(ねつぞう)されることも多い。

 このような話を聞くと「夫も子どもも捨てて逃げ出した外国人妻がいかに多いか知っているか」という反論が必ず出るだろう。しかし、このような事件は韓国人同士でも多い話だ。

 韓国は、国際詐欺結婚をこれ以上放置してはならない。最大限の情報を与え、相手の女性たちが選択できるよう「配慮」する制度を整備すべきだ。韓国の懐を広げるためには、考えをさらに柔軟にし、韓国人女性と同様に東南アジアの女性も性格の不一致により夫と別れることもあるということを認めるべきだ。「離婚した東南アジアの女性たちは、国籍を奪って追放すべきだ」というような暴力的なコメントや反応があってはならない。むちで打たれ虐待されている東南アジアの女性だけでなく、離婚した女性もわれわれの胸で受け止めるべきだ。われわれだけが損をするかのように思えるかもしれない。しかし、韓国は奴隷を受け入れているわけではなく、人と人とを結婚させているのだ。結婚し、韓国籍を得た東南アジア女性は、韓国の女性だ。彼女たちは離婚する権利も持っている。

朴垠柱(パク・ウンジュ)文化部長
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