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先週末に開催されたマスターズレガッタではエイト12艇を戸田から愛知池に運んで、各レースの配艇として使った。
参加クルーへの配艇表は、おやじが計画したもの。レース結果が出たので、各艇の勝ち数を集計してみた。勝率の良かった順に上位から並べると(但し、独漕を除く):
艇名、貸出元、メーカー名(Mould No.)、利用レース数、勝ち数、(勝率)
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上記の通り、勝率上位3艇は何れも日本で一番人気のEmpacherではなく、VespoliやSykesとなった。上位の3艇は船底がフラットで幅の広い安定性の良い船型。今大会の様に配艇方式とする場合は、事前に艇に慣れる為の乗艇練習は十分にできないので、幅広安定性重視の船型の方が良さそうだ。
エイト艇のMouldに関して、2年程前に考察したログ(http://d.hatena.ne.jp/oyajisculler/20060125)を参照願いたい。
バランス感覚が劣りつつあるマスターズクルーの場合は、幅の広い安定性の良い船型の方が、レースでは良いタイムが出やすいという事を示している。勿論、船型以上に日頃のメンテの良否が与える影響の方が大きい訳だが。。。
船型についてコーチ時代の小生は、長く細くをまず考え、次に漕手の技量を考慮して(船底の形状)メーカーを選んでいました。
それとも船型により一概に決められないのでしょうか
また、横から見た形状が円の一部のものと、長い長方形との差は、なにかありますか。小生は長方形型が好みですが。
山本化学工業のタコヤキラバー(今水泳で話題)をボートに利用できますか、スピードが異なるので 効果は?
筏の川流れさん、言い質問ですね。以下、項目毎に箇条書きで回答します。
1)Mould-3とMould-1について;
Mould-3は、元々は昔の東独クルーが使用していた船型で幅広・短尺の船型です。これをSykesがコピーしたものです。(FilippiのF9も同じ)底がフラットで幅が広いのでバランス安定性が良いメリットがあります。反面トップスピードで造波抵抗がやや大きい様です。でも低速の遅い高齢クルーには余り影響はなさそうですね。
Mould-1は昔の図南型と同じ設計思想の船型ですが、図南より幅が狭く長いのが特徴です。この艇をバランスよく乗りこなすシニアクルーは相当な技量と言えるでしょう。因みに淡青会クルーでは乗りこなせないかも知れません。上手くバランスが取れれば、濡れ面積も少なく、造波抵抗も小さいので艇速が出るでしょう。船型と抵抗の関係については、貴方の考え方で正解と思います。
一方、低速のマスターズクルーの場合、濡れ面積が重要な要素とは思いますが、造波抵抗については、それ程影響が大きくない。即ち、幅広・寸詰まり船型にしてバランス安定性を確保し、濡れ面積を小さくした方が良いと思います。即ち、Sykes Mould-3がベター。
2)濡れ面積について;
船型が決ってしまえば、濡れ面積(S)と艇の体積(Δ:∝重量)の関係は、S ∝ Δ^(2/3)となります。例えば、重量が2倍になっても濡れ面積=抵抗は1.6倍にしかなりません。
尚、ボートの様なスマートな船型については造波抵抗の要素は少なく、濡れ面積による摩擦抵抗が支配的です。そういう意味では、船首や船尾が浅く濡れ面積の小さい船型の方が抵抗が小さいでしょう。しかしながら、そういう艇は進路安定性が悪く、未熟なクルーの場合は蛇行の危険性があります。従い、アベレージクルーの場合は、仰る通り、舳先や船尾がドップリ深く浸かった船型の方が真っ直ぐ進んで良いでしょう。クルーの技量により最適な船型が変わってくると言うことです。
3)タコヤキラバーのことは良く知りません。でもボートの場合はレース艇を練習でも使いまくるので、柔らかい表面の場合は本番前にボロボロになってしまうのでは?それとボートの船体は強度が必要ですので強度の弱い船体は使えそうにありません。
以上