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おやじスカラー戸田便り

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2006-01-23 Big Blade2552はスリップが大きい/ブレード形状について

oyajisculler2006-01-23

昨日の遠漕会で50km漕いだが、オールはC2のBig Blade 2552(ブレード長52cm)だった。2、3本漕いで直ぐに分かったが、BB2552はブレードがスリップしている感じで固定感が弱い気がした。

昨年は1年間、Smoothieで漕いでいた:

昨年12月の2000mレースまでの1年間、オールはSmoothieブレード(Vortex加工無し)を使用していた。SmoothieはBB2552より面積が大きく、水の掴みが良い。殆どスリップしない様に感じる。特に止まっている状態からフォアワークで漕ぎ出す1本目等、「グイーっ」と押さないと、なかなかハンドルが動かない程だ。また、キャッチでエントリーした直後に水を掴みやすい。これまでに漕いで来たオールの中ではピカイチと言える。

BB2552について:

これに対してBig Blade2552(以下、BB2552)は、軽量級クルーやJr用に開発されたブレードで、最初に開発された重量級クルー用のBB2555(55cm長)のブレード長を3cmカットした小ぶりのブレード。現在T大にある古いBig Baldeは殆どこのオールになっている。(世界選手権で使用されているC2オールは、面積の大きいBB2555若しくはSmoothieが殆どで、BB2552は使われていない模様)

今回、遠漕で漕いで分かったが、このBB2552はブレードが小さすぎてスリップが大きく、Smoothieより効率が悪いと思った。ブレードが水中でムニュムニュとスリップする感じで、実際ブレードを見てもそうなっていた。

13年前、おやじがT大HC時代に、最初に使ったBB2555は「ブレードが大きすぎてハンドリングし辛い」と言う学生漕手の意見を聞き、体力に劣るT大漕手には少し小ぶりのBB2552で十分だろうと思って、BB2552をT大の標準ブレードサイズとして選択した。今回、Smoothieに慣れた後でBB2552を漕いで見ると、これは間違った選択をした様な気がしてならない。やはり、オールの仕様を決定する際は実際に自分で漕いで確かめるべきだと痛感した。特に漕技が未熟な漕手が殆どである学生クルー向けのオールの仕様を決めるときは、やはりコーチが実際に漕いで確かめるべきだと再認識した。因みにS台大のA監督は学生クルーのオール仕様を決める前に、自分で漕いで確かめているとのこと。この確認作業を踏まえた上で、昨年はBB2555オールを購入したと聞いた。A監督、流石である。13年前におやじも自分で漕いで見るべきだった。おやじ猛省!

おやじお奨めのオール(ブレード形状):

今回の知見、並びにこれまで調べた情報をベースに考えた、おやじお奨めのスィープオールのブレード仕様は下記の通り。

  1. C2 Smoothieブレード:Smoothieはブレード固定感が良いので全長は371〜373cm程度で十分だと思う。木製ハンドルは長さ調整が基本的に出来ないので、心配ならAdjustableハンドルを選択し、370〜375cm程度の範囲で調整できる様にすれば良い。
  2. C2 BB2555ブレード:これは世界標準になっており、外れはない。全長は373cm程度で十分だと思う。しかし、長さを決めきらないなら、上記同様にAdjustableハンドルとし、370〜375cm程度の範囲で調整できる様にすれば良い。
  3. Croker Slickブレード:昨年世界選手権で米国男子8+が使用したオールがこのSlickブレード。StrokerJPNのサイトによると日本で標準的に販売しているSlickは体力的に劣る日本人漕手向けにブレードのヒール部分をカットして面積を小さく加工してあるとのこと。しかし、何もカットせず、大きいままのSlickブレードの方がおやじは良いと思う。長さはC2のSmoothieと同じで良いと思う。Crokerのアジャスタブルハンドルは木製ハンドルに近い感触なのでCrokerの場合はAdjustableハンドルがお奨めだ。(以上、Sweepオールの話。スカルはヒールカットでもブレード固定感に問題ないと思う)

尚、C2の最新ブレードであるFat Smoothieについては、何とも言えない。幅がSmoothieより2cm大きいので、エントリーやフィニッシュで上下方向のハンドル操作幅を大きくする必要があり、この点がやや不安がある。Fat Smoothieの方が良いタイムが出るという話は聞いていない。

Vortex Edge加工はお奨めしない:

以前も書いたことがあるが、おやじはVortex Edge加工は止めておいた方が良いと思う。(ブレード先端にVortex Edgeプレートを取り付けて、ブレード先端の角を丸くカットしたブレードのことを言う)その理由は以下の通り:

  1. 先端のVortex Edgeのギザギザ部分から渦を発生させて、キャッチハーフでのブレード揚力を改善する原理。しかし、学生クルー等が手荒に扱うと、1年もすればプラスチック製のEdge先端が丸まって角が無くなってしまい、効果が無くなってしまう。船台で見掛ける古いVortex Edgeは角が無くなっているモノが多い。
  2. Vortex Edge加工されたブレードは、先端の角を丸くカットしてある。Vortex Edgeはフィニッシュハーフでは効果が無いので、フィニッシュハーフでは単に面積が小さくスリップしやすいブレードという事になる。また、Edgeが削れて効果が無くなれば、キャッチハーフでも単に、面積が小さいブレードと言うことになる。
  3. Smoothieは良いが、Big BladeにVortex Edge加工したブレードは、どうやってブレードピッチを計測するのだろうか?おやじは要領を知らない。(Smoothieはブレード先端でなく、ブレード面でピッチを計測するので、先端の角が丸くカットされていてもOK)
  4. Vortex Edge部分は塗装の際、マスキングしなければならないので、面倒。これは再塗装するときも面倒だ。

オール管理の実際を良く知る玄人なら上記は容易に分かること。実際、世界選手権でVortex Edge付きのオールを使用しているのは、日本人クルーぐらいで、昨年の岐阜世界選手権でも決勝に進出する強豪クルーでVortex Edge付きオールは殆ど見ることが出来なかった。Vortex Edgeはハッキリ言って効果が1年しか持たない飾り物と思った方が良さそうだ。

以上

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プロフィール

oyajisculler

oyajisculler はてなダイアリープラス利用中

14年間のコーチ経験を経て、漕手に復帰した「おやじスカラー」

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