年末にブレードをLBRCブレードカラー(C42-80D)に塗り直した。エイトのメンバーにも下地処理やマスキング等の作業を手伝って貰ったが、塗装用具の手配、下地処理要領の指導や塗装作業そのものはおやじ本人が行った。皆が手伝ってくれたおかげで短時間で綺麗に塗装することが出来た。
T大漕艇部の方も同じ時期にT大ブレードカラー(C57-80D)を調達し、塗り直しを順次実施している。上手く塗れているかな?と塗り直したブレードを見たら、ガッカリするほど塗装の仕上がりが悪く、もうグチャグチャの状態。恐らく、中学時代に技術家庭で塗装も含めた作業の実技をしたことが無いのだと推察する。プラモデル製作でペインティングの趣味でもあれば、少しは要領が分かるのだが。。。。
この状況で、T大の全部のブレードを塗られたのでは戸田の笑いものになってしまうので、おやじが塗装要領について、今度の日曜日に実技指導することにした。以下、ブレード塗装の手順と要領を纏める。
■ A)ブレード塗装用具:
1)下地処理及びマスキング:
- サンドペーパー(C2は#220を推奨しているが、もっと粗い方が良いと思う):新オールの下地処理用
- ワイヤーブラシ:塗り直し時下地処理
- スクレーパー(金属へら):同上バリ取り
- ウエス(ボロ布):下地処理したブレードのクリーニング用
- マスキングテープ
- 新聞紙(シャフトのマスキング用)
2)塗装用品
- 塗料(ブレードカラーの色票番号で塗料販売店に注文する)
- うすめ液
- 蓋付き小缶(刷毛塗り作業時の1リッター程度の塗料入れ。蓋は一時保存のため)
- 刷毛(油性塗料用で、適当な大きさのもの)
- 拡販棒(塗料の色斑を無くしたり、薄め液を混ぜるのに使用:菜箸でもOK)
- 刷毛洗い用の容器(要らなくなった食器や、ペットボトルの半割でよい)
- 刷毛洗い液(うすめ液でも良い)
3)塗装補助用具
- 馬:塗装する際にオールを置く台(ナックル用の木製馬で良い)
- 新聞紙(塗装作業場所の下に敷き、塗料がタレ落ちて床が汚れるのを防ぐ)
- 箒と塵取り(下地処理作業で出たカスを掃き集める)
- ゴミ袋(削りカスや使用後のマスキング材のゴミを入れるため)
- 廃液入れの容器(刷毛洗い後の廃液を入れる大きめの缶等)
■ B)下地処理及びマスキング
1)新品のオール(初回塗装前):
- 新規に購入したオールの場合、ブレードに剥離材が残っており、そのまま塗装すとペロンと剥がれてしまう。これを防止するために、サンドペーパーを使って表面に付着した剥離材を削り取る。この作業は表面を軽く荒らす下地処理と兼ねる。サンドペーパーの番手はC2のメンテマニュアルによると#220だが、もっと粗い#120程度でも良いと思う。
2)塗装済みブレードの同じ色で再塗装する場合:
- ブレードのバック面は着岸する際などに岸に擦りやすいので塗装が剥げやすい。こういった塗装が剥がれ落ちた部分や部分的に剥げ落ちたところだけをタッチアップ塗装すれば十分と思う。塗りなおす部分については、そのまま重ね塗りすると剥がれやすいので、サンドペーパーやワイヤーブラシを使って再塗装面の表面を荒らす下地処理をする。(再塗装の場合は、元の塗装を完全に剥がす必要はない。)
3)塗装済みブレードを別の色で塗りなおす場合:
- 中古オールを購入した場合については、ブレードを塗りなおすことになる。しかし、この場合でも元の塗装を完全に剥がすのは難しく、逆に剥離材で剥がそうとすると上手く剥がれなかったりしてブレード表面がゴワゴワになってしまう可能性が高い。2度も3度も別の色で塗りなおすことは無いと思うので、完全に剥がすことは諦め、表面をワイヤーブラシ等で下地処理してその上に重ね塗りするのが一般的なやり方と考える。

4)マスキング:
- 塗装するのはブレードだけなので、シャフトに塗料がつかない様にネック部分にマスキングを行う。マスキングはテープと新聞紙を使用する。
■ C)塗装作業
- 用意した塗料は、塗装作業用の小缶に取り分ける前に、所定の色が出る様に攪拌棒等を使って良く混ぜ合せる。塗料というものは、長い間置いておくと調合した色が分離してしまうものである。(T大のライトブルーは、青、黄、緑、白の顔料を配合している)
- 塗装作業に必要な量を1リッター程度の小缶に取り分ける。この塗料缶は蓋のある物が良い。(塗料が余ったら蓋をすれば、後でまた使える)
- 塗料は、そのままでは粘性が強過ぎて(濃すぎて)刷毛で塗り難いので、塗りやすい様にペイント薄め液で適度な粘性になる様に薄める。=攪拌棒で良く混ぜる。
- 塗装に使う刷毛は、出来れば新しいものが良い。一度使った刷毛でも使用後に良く洗って手入れしてあればOK。しかし、確り洗わずに塗料で毛が固まったものは使わないこと。また、塗る際は、塗料を一度にドボっと多量につけない様にする。刷毛はブレードの長さ方向に動かし、塗料を良く伸ばして塗る。ブレードの端は塗料が溜まり液垂れしやすいので注意して塗る。新しいオールで塗り斑が出たら、乾いてから2度塗りする。)
■ D)作業後の処理(後片付け)
- 塗装作業が終わったら、刷毛に残った塗料を小缶の縁で良く落とす。小缶に残った塗料は蓋をして、次に使用できるように保管する。
- 使った刷毛を刷毛洗い用の容器に入れ、刷毛洗い液若しくはペイント薄め液を入れて、塗料を良く洗い落とす。(洗い方が不十分だと塗料で刷毛が固まってしまい使い物にならなくなる)洗った刷毛はウエス等で良く拭き取った上で乾燥させる。
- 刷毛洗いに使用した薄め液は専用の廃液容器に入れる。(洗った残液を水道の流しに流してはいけない)この廃液の処分方法については、おやじも良く知らない。
- 塗り終えたオールは1時間程度、風通しの良い日陰に置き、塗料を乾燥させる。ある程度乾燥したら、マスキングテープを外し、所定のオール置き場に置いて一晩も乾燥させる。翌朝には使用できると思う。
- マスキングを外したテープや新聞紙、それとブレード下地処理で発生した削りカス等は箒やチリトリで掃き集め、ゴミ袋に入れて捨てる。
- 塗装作業で手に付いた塗料はペイント薄め液で洗い流す。それでも取れない塗料は石鹸を付けてよく洗えば落ちる。
以上