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おやじスカラー戸田便り

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2005-11-06 オールのシャフト硬さについて

oyajisculler2005-11-06

先日、ファイルが見つかりませんで、ある人からシャフトの硬さに関する質問を受けた。良い機会なので、シャフトの硬さに関して、メーカー情報(Recomendation等)、Stiffシャフトに関する戸田情報、及び、おやじの考えについて纏めたい。

シャフト銘柄とベンド量(C2とCrokerは概ね同等):

Stroker JapanのHP403 - 許可されていません: アクセスが拒否されました。に、Concept2(C2)とCrokerオールのシャフトの撓り量(ベンド)の比較表が掲載されている。(下記はその抜粋)これを見るとC2とCrokerのベンド強度は概ね同等と思われる。

  • 以下の数値は、Croker, C2の順にベンド量が記載。
  • SWP Medium 8.3cm(M2, 55x 25.5,373cm) 8.5cm(M, 55 x 25,373cm)
  • SWP Soft 9.3cm(M2 soft, 52x25.5, 371cm) 9.7cm(S, 52x25,371cm)
  • Scull Medium 10cm(S2, 44x22,290cm) 11cm(M, 46x21,290cm)
  • Scull soft 11.5cm(S2 soft,44x22,290cm) 12cm(S,46x21,290cm)

シャフト選択に関するCrokerCroker Sculling Oarsの解説:

Scullオールのシャフト(S2)に関するCroker社の情報は以下の通り。(Sweepオールも同様な解説があるが、スカルオールの方は目安となる漕手体重が記載されており、より分かり易い説明になっている)

  • S2 Stiff:Designed for quads, doubles and strong single scullers (Over 90kg) Weight: 1400grams
  • S2(所謂medium):Designed for senior level sculler (Between 80 –90kg) Weight: 1350grams
  • S2 Soft:Designed for lightweights, juniors, women and veterans or those wanting more sensitivity at the catch (Up to 75kg) Weight: 1300grams

シャフト選択に関するPage Not Found | Concept2の解説:

C2の解説は下記の通り。Crokerほど具体的なものではなく、選手の好みに応じてお選び下さいという感じ。一点注目すべきは、硬すぎるシャフトは疲労障害(疲労骨折?)の原因となり得ると言う点。

Shaft stiffness is mostly a matter of personal preference. Softer shafts will flex more easily on the drive. Some people like this softer feel; others feel it is a waste of energy. Stiffer shafts will flex less on the drive. Some people like this stiff feeling; others feel it can contribute to overuse injuries. Most people order medium stiffness unless they have a clear personal preference either way.

Stiffシャフトに関する戸田情報:

下記は、おやじの友人YNさんから又聞きした情報。(YNさん、情報提供有難う。)

  1. 日ボの男子Japan選抜チーム:ブレードを入れたら直ぐに効かせたいという狙いの下、オールは全てStiffシャフトを使用。勿論、武田選手、浦選手もStiffを使っている。因みにジャンニコーチのの方針でブレードは先端にVortex Edge加工したブレードは止め、ノーマルブレードを使い始めた模様。=Vortex加工ブレードは面積が小さくスリップが大きいので止めたとの由。
  2. NTT東京:日ボ選抜チームに合わせて2年程前から使用し始めたとのこと。Stiffオールとカーボンチューブリガーの組合せで漕いだスカラーが、肋骨を痛めたと言う話もある。慣れれば良いのだろうが、従来のMediumのイメージでStiffを漕ぐと体を壊す危険性がある模様。
  3. YNさんがコーチするH大の4X:ハードシャフトの性能を期待してConcept2のStiffオールを使用したことがあるとのこと。この時の印象としては、キャッチで弾かれる感じがあり、Stiffを漕ぎこなすことが出来なかった模様。今はStiffスカルオールを使っていないとのこと。

戸田界隈のクラブでは、Stiffオールを使用した例は上記に限定される模様。(もしかしたら、おやじの情報不足のかもしれないが。。。)今年の全日本選手権8+で優勝した明治安田生命や、戸田の強豪大学は皆Mediumシャフトで漕いでいる模様。

シャフト硬さに関するおやじの経験:

  1. 大学4年間:もう25年程前の話だが、2年生までは木製オール、3年、4年生ではConcept2のSoftシャフトのオールを使っていた。(この当時のシャフトはグラスファイバーが少し使われた鼠色の"Original"シャフト)おやじの時代は、漕いで漕いで、量を漕ぎまくったが、肋骨を痛めた者など聞いたことが無い。シャフトのベンドは木製≒C2 Softだったので、柔らかいシャフトは怪我防止に寄与するのかも知れない。一方で、おやじは対校エイトの中でも体力的にトップレベルだったので、当時のSoftシャフトでは柔らかすぎて漕ぎ難かった記憶がある。特にフィニッシュでベンドが戻るまでに時間が掛かりすぎて、ハイレート時にクリーンにブレードが抜けなかった記憶がある。
  2. 卒業後MBCで漕いだ4年間:大学時代にSoftでは柔らか過ぎた感じがあったので、MBCに入ってからはC2のMediumシャフトオールで漕いだ。撓り過ぎる感じが無くなり、無しフォアのトップスピードのフィニッシュ離水がクリーンに出来る様になった。
  3. LBRCエイト(最近):LBRCエイトはT大のお古のオールを使用している。C2 SmoothieブレードのSweepオール。シャフトの硬さは確認していないが、恐らくMediumだろう。2年半前に久々にエイトでの練習を再開した時に最初にSoftシャフト、続いて今のMediumシャフトを漕いだ。Softシャフトは撓り過ぎて漕ぎ難い感じがあり、Mediumは中年漕手には硬すぎる感じがしていた。しかし、最近は徐々に体力も回復し、Mediumシャフトに違和感は無い。一方でもっと硬いStiffシャフトに変えたいという必要性は全く感じない。Mediumが合っているということだろう。
  4. 1X:今年の4月までC2のMediumシャフトを使っていた。4月末から現在のCroker S2シャフトを使っているが、オールを変えた時にCroker S2は少し硬いかな?という印象があった。レースペースでは、現在のオールで概ね上手くブレードコントロール出来ているが、ユッタリ優雅に漕いでいるときはもう少しベンドがあった方が良いとも思う。

シャフト硬さに関するおやじの考え:

10月28日にジャンニコーチと一杯やったときに彼から聞いた話だが、漕手が肋骨を痛める問題は、重量級選手には余り例が無く、軽量級選手に多いとのこと。おやじの推察では重量級選手は力があるので、Stiffシャフトでも十分に撓らせることが出来、軽量級選手がmediumシャフトを使った時と同じ様な撓りで漕いでいるのだと思う。一方、軽量級選手は体重・力共に重量級より劣るのでStiffシャフトでは硬すぎて重量級選手の様には撓らず、キャッチ周りでガツンと急激な負担がかかったり、フィニッシュ周りでの素早いハンドルワークが要求されたり、肋骨周りに大きな負担を強いられているのではなかろうか?おやじの考えでは、漕力に見合わぬ硬すぎるオールで量を漕ぐと肋骨を痛める危険性があるのだと思う。

2000mレース一発ではロスを少なくする意味で、世界レベルの軽量級選手が競技シーズンにStiffシャフトを使うというなら頷ける。しかし学生選手の場合は、1年中量を漕がないと上達しない。そういう意味で、未だ体の出来ていない学生選手が固すぎるシャフトで漕いでは、硬すぎて弾かれて上手く漕げないし、肋骨に疲労障害を起こして量を漕げない悪循環に陥る危険性が高い様に思う。特に、今から冬場に入るが、量を漕ぎたいのであれば、冬場に限って体を痛める危険性の少ないSoftを使うことも一つの対策の様にも思われる。(勿論、体力があり、Softシャフトでは撓り過ぎて漕ぎ難いという漕手についてはMediumを使えば良い)そしてシーズンに入り、本格的にレースペースの練習をする時期になったら、クルーの漕力に応じて一つ上の固さのシャフト(Soft→Medium)に移行すれば良いと思う。Mediumで柔らかすぎて漕ぎ難さを感じるような強い体力を有するクルー、エルゴで言えばクルー平均で軽く6分30秒を切る様なレベルでないと、Stiffシャフトを使う必要性は無い様な気がする。

Mediumシャフトでは6分を切れないという説はガセネタ:

Mediumシャフトでは、エイトで6分を切れないということを真面目な顔をして訴えているコーチを見たが、勉強不足、調査不足を露呈するだけである。おやじがメーカーのHPを参照したり、友人のコーチに電話する等、1時間もあれば上記の情報は手に入るのだから、実際に学生を指導しているコーチはもっと良く情報収集して欲しい。下手な判断で選手を故障させたら、どうしようもない。

以上

ひろしひろし 2005/11/08 17:02 いつも拝見させていただいてます。
また、先日mimo forumでは有難うございました。
今回の情報も大変参考になりました。

おやじ本人おやじ本人 2005/11/08 23:24 ひろしさん、コメント投稿有難う。
このブログを見てくれている人は多いのですが、なかなかコメントしてくれる方が少ないのが、寂しいところです。一方、時々、プロフィールに書いたアドレスにメールしてくれる方もいます。今日は東北地方の有名なコーチの方(良く知っている人)からメールを頂きました。シャフトの硬さに関する考え方は、概ねおやじと同じでした。彼は自分で漕いで試した上で、シャフトの硬さ等のオールの仕様を決めているということです。さすが超一流のコーチですね。
ところでMediumシャフトではエイトで6分切れないというガセ情報を流したのは誰だろう?どういう素性の方なのか、興味があります。

おやじ本人おやじ本人 2005/11/15 20:23 その後、シャフトの硬さに関して、関西にあるボートビルダーの社長様(知らない人はモグリ)からも意見を伺ってみた。結果はおやじの意見と同じだった。やっぱりある程度撓るシャフトを使わないと体を壊すということだ。おやじ本人の意見では、初級者はSoftシャフトから入り、キャッチでオールを聞かせる技術を身に付けてから、必要に応じて硬めのオールへ移行するのが良いと思う。基本的にゴルフのシャフト選びと同じだ。女子ゴルファーでXシャフトを使う選手はいないでしょ。

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プロフィール

oyajisculler

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14年間のコーチ経験を経て、漕手に復帰した「おやじスカラー」

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