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特殊なリガーを除くと、最近のリガーには必ずバックステーが付いている。おやじの属するLBRCではVespoli艇を使っていおり、リギング調整の毎にバックステーの伸縮・調整方法を説明している。何故かというと、伸縮調整方法を知らない者、若しくは間違った方法でやってしまう者が多いからだ。また、母校の艇を時々観察すると、所謂Empacherタイプのバックステーで可笑しなことになっているものを見かける。この際、忘れぬ内にバックステーの役割と伸縮調整方法について纏める。
その名の示すとおり、stay=支えである。何を支えているかと言えば、リガー本体から伸びているクラッチ軸の頭を支えている。漕手がオールで水中をストロークしている間、クラッチ軸はオールの推進力を受けて、概ね進行方向へ曲げようとする曲げモーメントが加わる。これを支えるのがバックステー。バックステーにはストローク中、圧縮力が加わる。従って、バックステーは圧縮力が加わっても長さが縮まない様に伸縮部を確り固定する必要がある。固定していないバックステーは無用の長物である。(残念ながら、伸縮部を固定していないバックステーを時折見かける)
普通に漕いでいる分には、如何なる漕手がどんなに強く漕いでも正しく取り付けられたバックステーが壊れることはない。しかし、エイト等の大型の艇で腹切りをしてオールを離し、オールがバックステーに引っ掛かると一発でバックステーは曲がってしまう。後述のVespoliタイプのバックステーならクラッチ後方のパイプが曲がるだけで、伸縮部の損傷は殆どない。この場合、ゴムハンマーか何かで曲がった部分を叩けば概ね元に戻る。(何度もやれば、当然折れる)一方、Empacherタイプの場合は、折れ曲がる部分が伸縮部なので、曲がったらそのバックステーはお釈迦となるケースが多い。
バックステーは大きく分類すると上図の2種類となる。1.ネジ伸縮タイプ(Vespoli等)と2.ホースクランプで固定するEmpacherタイプ。当然ながら、何れのタイプも頭の部分がサイド別なので、購入するときはS-sideかB-sideかをよく見て購入する必要あり。各々の伸縮調整法の要点は以下の通り。
これは、Vespoli等の米国艇や中国艇に多いタイプ。(最近のカーボンパイプリガーもこのタイプ)交換する場合は、長さの合うものを購入する。リガースプレッドの変更作業に於ける作業要点は以下の通り:
このタイプは、ステーパイプ(B)が長いままで売られており、長さはリガーに合わせて自分でカットして使用する。このタイプについては、長さをカットする作業から纏める。
新規取替え時以外の時は、上記工程の4.項以降を行う。尚、良く見かける間違いは、上記工程の3.項の切り込みを切り忘れることである。これを施工しなかったり、確り固定していないと、パイプの中で伸縮部が暴れて磨耗して使い物にならなくなる結末が待っている。
以上