10月に入り、秋の荒川は絶好の練習環境。
気温は20度前後、湿度も低めでカラッとした空気。風も穏やか。若干日差しがあるが太陽の下でボートを漕ぐのは気持ちが良い。そして何より嬉しいのは水が澄んできれいになったこと、特に彩湖水門より上流。秋に入り水温が下がったためだろうか?
■午前:エイトで秋ケ瀬2往復(ブレードワークの改善):
前述の通り、秋に入り、練習環境が良くなってきたので、今日は秋ケ瀬2往復(約32km)の遠漕メニューの漕ぎ込みを実施した。内容は低レート(SR19〜20)のライトパドル12分のインターバル(レスト2分)
直前のメンバー変更もあり、今日はいつもと異なるクルー編成だったが、概ね良い練習ができた。フォーカスした漕技改善点は以下の通り:
- キャッチでブレードが戻らぬ様に一番遠いところで戻さずブレードエントリーする。:昔のマコンブレードではキャッチで水を掴む技術には熟練の技術を要したが、今のチョッパーオールは面積が大きく、キャッチ一枚入れてしまえば後は押すだけ。非常にキャッチが簡単になった。問題は如何に戻さず如何に素早く戻さずブレードを入れるか、どういう動作でどうやって水に落とし込むかが問題。おやじの長い経験では、スイープオールの場合は、ブレードの軌道を主体的にコントロールしているのはアウトサイドハンドである。(良く耳にするのは、ブレードエントリーをインサイドハンドで操作するという考え。何故こんなことを言うのか理解に苦しむが、ひょっとすると、こういう指導者はスカラー出身、或いはアウトサイドハンドの使い方が下手な漕手なのかも知れない。。。。)さて、我がクルーの皆さん、観察しているとアウトサイドハンドの使い方が余り上手でなく、フォワードトップでブレードを素早く入れることができず、ブレードがフワフワと戻りながら入っている。今日はフォワードの最後にアウトサイドハンドをスッと振り上げてブレードを「ドン!」と入れる様に指導した。(柔らかくブレードエントリーするという言葉を使うと、どうしてもエントリー動作がトロクなり、フワフワ戻ってしまうので、敢えて「ドン!」とか、「ドボチョン!」とか過激な言葉を使ってみた。)低レートのライトパドルでは、指摘した直後はブレードを戻さず素早く一枚確り入るようになっていた。しかし、暫くすると元に戻っていた。やはり体に染みついた悪い癖を直すには長い時間がかかる。
- 水中はハンドルを水平にドライブし、アウトサイドハンドを胸まで引き切る。こうすることでブレード一枚の深さをフィニッシュまでキープして押し続ける。フィニッシュまで一枚キープする事が理想なのだが、漕手がフィニッシュでブレードを鉛直に抜く技術、即ち、ハンドルドロップダウンのテクニックを持っていないと、ブレードが抜けず、腹切してしまう。(このドロップダウンの操作を主体的に司るのもアウトサイドハンド。一方、インサイドはフェザーターンするのが役目。リリース時にインサイドハンドがリラックスできていないと素早く正確なフェザーターンが出来ない)余談ながら、新人時代はフィニッシュで腹切する位水中の強さ・長さに拘る漕手の方が将来有望だ。しかし、並みの漕手の場合、ドロップダウンの動作が身についていないとフィニッシュハーフでブレードを浅くし、フェザーターンだけでブレードをリリースする悪い癖がつきやすい。特にS-sideの漕手は利き手でない左手がブレード軌道操作を司るアウトサイドハンドになることもあり、フィニッシュが押し切れない漕手が多い。(両手を使うスポーツである水泳、柔道出身の選手はS-sideでもアウトサイドの使い方が上手い様だ。)これを改善するのが、ノーフェザーによるフィニッシュ練習。我がLBRCでも遅ればせながら、この9月から、W.Up時にフィニッシュワークのドリルを集中実施中。最近少しずつフィニッシュ改善の成果が出つつある。
我が40歳代主体のLBRCエイトもMileage makes championsの言葉が示す通り、練習を重ねてきた成果が徐々に出つつあり、乗艇練習での漕ぎがレベルアップしてきた。
■午後:1Xで秋ケ瀬往復:
昼食を摂った後、14時過ぎから1Xで、再び荒川に出艇。午後は若干気温が上がってきたのでローイングスーツ一枚で漕いだ。午前の遠漕メニューで相当脚に疲労が残っていたが、往路は東の風に押されて軽々と艇速が伸びた。
復路は若干逆風。逆風は艇速が伸びないものの、バランスが安定するので、フォワード中のバランスキープをフォーカスして漕いだ。
スカルはマイペースで漕げるし、静かに進むので両岸の緑や釣り人や河川敷グランドでの人々の動きを観察する余裕があって楽しい。
こういう素晴らしい環境の荒川なのに、荒川に出てくるクルーが少ないのは残念。
以上
厳密に言えば両手を使っているわけですが、漕手の意識としてどちらの手を意識しているかの問題だと考えています。
ブレードワークの上手い超一流漕手、例えば、豪州のトムキンス選手は明らかにアウトサイドでブレードをコントロールしています。
30歳半ばを超えた年齢で世界を制するような超一流漕手は理にかなった漕ぎ方をしていると思います。
マスターズ漕手もマダマダ技術改善の余地が沢山あると思います。