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2007-02-18 フィニッシュ周り改善と、パドルの有酸素運動化
今日は午後からLBRCエイトの乗艇練習。普段は午前中の乗艇が多いが今日はメンバーの都合で日曜の午後となった。午前中は冬の雨で風も強く酷い天気だったが、13時過ぎから雨も上がり薄日が差す上々の天気になった。
■乗艇に前に取組み課題を確認：
さて、先週の乗艇でフィニッシュ周りのブレードワークに認識の違いがあることが分かった。ブレードワーク理想型に関する認識統一を図るために、昨年9月に纏めたブレードワーク解説図集（下図：これまでに作成したブレードワーク関連解説図をA3一枚ものに纏めたもの）を予めメールで配布した。
今日はこの解説図の中にあるフィニッシュ周りのブレードワークにフォーカスし、改善を図ることとした。ポイントとしては；
- フィニッシュは押せるところまではブレード一枚キッチリ入れて押し、
- これ以上一枚入れると腹を切るという一歩手前（ハンドルが体の手前10〜15cm)で、腕と上体を脱力し、ハンドルをドロップダウンしてブレードを離水する。
- ブレード離水しながら瞬間的に"クルッ"とフェザーターンし、離水とフェザーターンを同時に完了する。
- 上記2.離水と3.フェザーターンはストロークレンジの終点（即ち、ハンドル引き切り）で完了する。（昔のボート教本に書かれていたハンズアウェーしながらブレード離水やフェザーターンする要領は、最新チョッパーオールでは効率良いブレードワークではない）
- 上記1.〜4.の動作と連続して、ハンドルを膝前まで素早くハンズアウェーし、１）からハンズアウェーまでを素早い１モーションで動かす。（フィニッシュで休まない）
■本日の乗艇は前回より改善：
さて、上記取組み課題を念頭におき出艇。荒川に漕ぎ出すと薄日が差し、グッドコンディション。北北西の風がやや強いが漕ぎ難いほどではなかった。フォアワークや技術練習などで、フィニッシュまで出来るだけ長くブレード一枚をキープし、ドロップダウンでクリーンに離水するという課題に対し、皆さんの取り組み姿勢が感じられた。途中大曲のカーブで北北西の風で出来た風浪が集まってやや波が高くチャプチャプしてやや漕ぎ難かったが、その先のカーブを曲がった秋が瀬鉄橋付近はコンディションが良かった。少しラフコンではあったが大崩れすることもなく漕げたのは、本日の取組み課題が浸透し、漕ぎが改善して安定性が増したためと思われる。
■パドルは有酸素運動を意識して軽快な漕ぎを狙う：
折り返して、パドルの短漕練習を実施。ここでの課題は、上体をリラックスして高めのレートでもリズム良く漕ぐこと。
これまでエイトや１X乗艇を介して分かって来たことが一つある。それは、昔から良く言う「蹴って休む」や「水中とフォワードのコントラストを付けよう」という漕ぎのイメージ。確かにパドル20本や30本といった1分以内の短漕であれば水中強度重視で、そのリズムを維持できるが、それを超えると脚に乳酸が溜まり、一気に水中強度が落ち、違うリズムになってしまう。どうやらコントラスト重視の短漕は無酸素運動になっており、2000m中盤の有酸素運動の漕ぎにはなっていない様だ。
１X夜間乗艇でやっている12km漕について、DPS重視とレート重視で交互に取り組んできたが、乗艇中の漕いだ感覚やタイム結果を見るに、どうやらレートを高めにして漕いだ方が漕ぎの安定性及びタイム共に良いということが分かってきた。水中とFWDのコントラストを意識しすぎると無酸素運動主体となってしまい筋肉に乳酸が溜まりやすく高い出力を長時間持続できない。これに対し、レート高めに漕ぐ場合は、1本1本の水中強度は落ちるが、有酸素運動となるので安定して長時間高い出力が出せるので艇速が上がる様だ。また、高めのレートで漕げば同じ出力で漕いでいても、1本毎の水中負荷が下がるので、ブレードスリップが減り、推進効率が上がる副次効果も期待できる。加えて、1本1本の水中負荷を下げることにより、上体から無駄な力みが消え、バランスキープやブレードコントロールを正確に行う余裕も生まれるので更に良い。
ということで、今日は、パドルは2000mのコンスタントに繋げる意味で水中とFWDのコントラスト重視でなく、有酸素運動系の動きを狙い、上体をリラックスし、軽い動きでリズム良く高めのレートで漕ぐことを狙った。要するに水中強度は落としても良いので、フォワードでの軽いリズミカルな動きに注力し、レートを高めに維持するという事だ。この点を意識してパドルの短漕を漕いだところ、（SR32付近で未だ低目ではあるものの）柔らかい動きでスムーズに漕げる様になってきた。今後はこの漕ぎでパドル練習を行おうと思う。
さて、本番メニューは2000mレースをシミュレーションした静止からの7分漕。静止から入ったこともあり、短漕の時ほど軽いリズムにはならなかったが、先週よりバランスも安定し、SR31前後で概ねリズム良く漕げた。（ただやはり後半、疲れてくるとハンズアウェーやシートの出だしが遅れ始めてレンジが切れる傾向がある。）ラスト1分はいつもの通り2枚上げを3回入れたが、大分スムーズにレートアップできるようになってきた。今後は、疲れの溜まる後半こそ、意識してハンズウェーとシート出だしを速くしてレートやレンジが切れない様にしてゆきたい。
7分漕の後は、クーリングダウン及び技術面のチェックも兼ねてライトパドルで2000m程漕いだ。フィニッシュでの一枚押切りやブレード離水・フェザーのイメージ統一がある程度浸透してきたこともあり、これまでより良い感じで安定した漕ぎが出来てきた様だ。
週1回の乗艇練習ではあるが、MTGで話す内容は現役選手時代に話していた内容に近づきつつある。来週も更に良い漕ぎを狙いたい。
PS:
今日の夕方から日ボの代表クルー選考合宿が始まる模様。国立艇庫前には1Xや2X等の小艇が沢山搬入されていた。良いクルーが生まれることを期待したい。
以上
パドルは有酸素運動・・・大賛成です。おやじスカラーさんのような理論的根拠をふまえてやっていたわけではありませんが、現役時代の15年以上前に似たような取り組みをしていました。当時はやはりコントラスト重視の漕法が主流だったので、かなり異端児扱いされていました。全日本の4×で優勝したときもコンスタントレート38〜40だったたと思います。ちなみに2位はおやじスカラーさんの出身校でした。たしかに他のメンバーの趣味でオール（当時はまだマコン）はコンセプトのXLサイズを使用していたり、変わったことはしていましたが・・・1×の12�卅罎任皀譟璽箸�26で入り、勝手に上がるままに任せて、後半は30を越えるようなレートで漕いでいたと思います。今思うとかなり効率の悪い無駄の多い漕ぎをしていたのでそれが良かったのかどうか疑問はありますが。10年ほどこの世界から離れていましたが、数年前からぼちぼち漕ぎ初めています。今から思うと当時はかなり思いこみの激しかった部分も多く、またアンチ戸田的な偏見もあったため、意地になって違うことをしようとしていたのかもしれません。でも、今回のパドルは有酸素運動を読み、これだこれだと思い出し懐かしくなりました。これからもおやじスカラーさんに負けないように頑張って漕いでいきます。
レートを上げると水中のブレードワークが雑になりブレードが浅くなりがちです。ハイレート漕法のキーポイントは、ブレードを浅くせず、確り一枚平らに押すことをキープし、その上でFWDの時間を短くしてレートを稼ぐところだと思います。この辺りの技術はイタリアのナショナルクルー、特にLM4Xクルーが優れていますね。
つい昨年までは、変なリズムで漕いでいるなとか、よくあんなハイレート＆短いフォワード時間で2000mを漕ぎきれるな〜と思っていましたが、漸く理解出来るようになりました。
そういえば、戸田の居酒屋でジャンニコーチと一杯やったときに彼がフォワードももっと速く動かさないと艇速が出ないと言っていたような気がします。
ところで、別の質問です。運動生理学的に言うと、筋肉は伸びきった状態よりも少し余裕を残した状態の方が力を発揮できると聞いたことがあります（考えてみれば当たり前ですね）。ボートの場合、特に小生のような小兵はできるだけ前に出る、ほとんど潰れるように前に出ていたのですが、どうも効率が悪い。エルゴでも伸びきる前の段階から後ろに蹴る方が出力が大きいようなのですが、おやじさんのご意見を聞かせてください。エイトの場合でも「前に出る」ことを強調し過ぎるのは如何なものか、と最近思っています。どうでしょう？
一方でエイトになるとこれは難しいですね。エイトで小柄な漕手のみでクルーを組むのは中々難しいですね。そういうメンバーは揃いませんね。ということで大柄なクルーの中に小柄な漕手が混じるというのが一般的な構図でしょう。また、クラブチームであればシート毎に体格に合わせてインボードやスパンを一々リギングし直すなんてことは現実的には難しいと思います。そうなるとやはり従来通りのやり方で、小柄な漕手は自分の体格にあった最適な体の使い方・レンジは諦めて、大柄な他の漕手の邪魔にならぬ様に体に鞭打ってオーバーリーチで漕ぐしかないと思います。
従い、あまり酷く体格差があるクルーは組むべきでなく、小柄な漕手は小柄な者で集まって小兵クルーを組み、体格にあったリギングで小柄な漕手なりの漕ぎをすべきだと思います。ボートでも１Xであればスピードスケートの清水選手のような選手が出てきてもおかしくない筈ですが。。。
現役当時から、フォワードのスピードはドライブ中に発揮している力により左右されるので、無理にフォワードのスピードを抑えてゆっくり出るという意識はしない方が良いと思っていました。ドライブ中の力が上手く艇速に結びつきハンザウエイを上手く抜くことが出来れば、自分で前に出ようとしなくても体は勝手に前へ出ていく。これを無理にゆっくりするとせっかくの艇速を落としているような感覚になる（僕だけかもしれませんが）ので、無理に前に出るスピードを抑えず、自然にフォワードするようにしていました。そうすると当然ドライブのパワーを増せば増すほどフォワードのスピードは上がるので、当然ピッチも上がりますね。だからどうしてもハイピッチになってしまいます。でもフォワードを無理に押さえてメリハリつける漕ぎよりも、ずっと楽に漕げると思います（これも僕だけか？）。ただハイピッチになってもそれを艇速に結びつけるようなテクニックが必要なので、未熟な腕前の私ではタイムに結びつけることは出来ず、結果が出せなかったことが心残りです。これからも頑張ってハイピッチ漕法（という言い方もあまり気に入らないのですが）で漕いでいきます。
一方で年をとって体力が落ちた今、リズムだけ昔のままに蹴って休んでとか、メリハリと無理にやると水中は自ずと無酸素運動の領域になってしまいます。週に１，２回の練習頻度ということで有酸素能力が落ちていることも大きく影響していると思います。それにしても（自分では漕技に自信のある）１Xのレースで、エルゴの値が殆ど変わらない大学生のヒヨっ子に負けるのは、何かがオカシイとここ２年ほど考えていました。一番の差はレートが２枚以上違うというのは分かっていましたが、それは技術でカバーなんて考えていました。でも今回気付きました。１分を超える距離では、無酸素運動だけでは続かない、フォワードを速くし、心肺系主体のハイレートで水中負荷を下げた有酸素系の漕ぎをする必要があることを理解しました。それでも12km漕で気を抜くとメリハリ重視の無酸素系漕法に陥りレートが落ちて来ます。（下手に筋力があるからこうなる）暫くは水中ブレードワークの正確性を保った上で、如何にフォワード時間を短縮するかという点に取り組んで行こうと思います。1Xの1000mレースでのタイム改善に繋がればと考えています。