自爆、高官追放、商店街スト、暴力団と激突――
もはや共産党も警察も止められなくなった1日500件の過激デモ
(SAPIO 2012年9月19日号掲載) 2012年9月27日(木)配信
共産党が逃げ出す村が出現
中国でこれほど暴動が頻発するようになったのは昨年からだ。過激かつ国内に甚大な影響を及ぼした事件を挙げよう。
2011年5月、内蒙古自治区で牧畜に携わる民衆の抗議集会が開かれた。発端は、近年の炭鉱開発によって草原の砂漠化、大気汚染など環境破壊が深刻化したことに抗議したモンゴル人青年が、石炭運搬トラックにひき殺されたことだった。
これに怒ったモンゴル人の学生市民らが数千名規模の抗議活動を行ない、10人近い死者が出た。
同月、江西省撫州では政府関連施設で連続爆破事件が発生、省政府ビル前で農地強制収用に抗議して農民が自爆した。6月には山東省徳州市、河南省鄭州市、湖南省来陽市のそれぞれの公安局ビルなど、立て続けに政府関連施設を狙った爆破事件が起きた。それらの事件からは、民衆の共産党に対する怨念がいかに凄まじいかを読み取ることができる。
「世界の工場の心臓部」と言われる広東省では激しい官民衝突が続いた。同年9月、広東省陸豊市烏坎村の村民数千人が市政府庁舎の前で抗議デモを行なった。村の幹部が農民の土地を無断で売却、そのカネを着服していたのだ。事態は一時沈静化したが、問題が一向に解決されないため、その3か月後、再び大規模抗議に発展した。
「打倒腐敗官僚」のスローガンを掲げた抗議行動で、村は500人以上の警察隊に包囲され、食糧の運び込みを禁止された。村民は警察を村に入れないよう樹木を倒しバリケードを作り、農機具などで自衛していたという。土地を無断売却した幹部が村から逃げ出し、初めて共産党がいない村が出現した。
この抗議行動は潜入した外国メディアによって報じられ、世界が注目するところとなった。そして12月、ついに村の党書記を民主的選挙で選ぶことを政府に認めさせ、今年2月には直接選挙が実施された。
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