バナナマン 設楽統のボクの家、丸焦げになっちゃいました!

Mr.無欲。芸人・設楽統の真実が明らかに…。

バナナマン・設楽統、 OG見参。驚愕の火事場の実況見分を披露!

OG今号は火事場特集ってことで、火事場に御詳しいと各方面から定評あるバナナマンの設楽さんに火事場についてメラメラと語っていただこうと思っております。

設楽 「火事場には詳しいですよ! ってうか火事……、出しちゃってますからね(苦笑)」

OG いろいろ大変だったそうですね。あらためて、そのときの状況なんかを教えていただけますか?

設楽 「いいですよ。あれはもう2〜3年前なんですけど、昼ぐらいですかね、オレが起きてきて、家族もリビングにいて。間取り的にはですね、ちょっとこう廊下みたいなのがあって、でこっちにトイレとかお風呂があって、玄関がこっちにあって、で、近くにボクの部屋があるんですけど」

OG ちょっとすいません、まったく間取りが見えてこないです(苦笑)

設楽 「ですよね(笑)でね、オレはタバコを吸うんですけど、でも家じゃ自分の部屋でしか吸ってなかったんです。あの日も寝て起きたその手でタバコを一本吸って、で消して、こう灰皿に吸い殻が溜まったんでゴミ袋にポイっと捨てて、で、リビングに行って、自分の出てた番組がやってたんで家族でテレビを見てたんですよ」

OG あぁー、なんか怪しい展開ですねぇ……。

設楽 「でね、自分の部屋のドアは閉めてたんですけど、10分か15分くらいしてからかなぁ「シューッ!バァァァァァンッ!!」って凄い音がしたんですよ、普通の生活じゃ絶対に聞かない音なんです!」

OG 生活音としてはもう100%あり得ない?

設楽 「絶対にあり得ないですね。で、『え!? 何今の?? うち? うちかな??』って。でも、あまりに聞いたことがない音なんで『いやさすがにうちじゃねーよな』ってそのとき思ったんですけど、やっぱり音があまりに近かったもんですから『一応見てみるか』って感じでオレの部屋のドアをパッと開けてみたらオレンジ色のものが目に飛び込んできたんです」

バナナマン 設楽統

OG オレンジ色(笑)それはズバリ言って……?

設楽 「いやもうオレンジ色が目に入った瞬間『うわ! ヤベぇ!!』って、もうすぐに火事だったてわかってですね、うちの奥さんのところにいって『やっちゃった……』って言ったら、奥さんが『もう! 何やってんのよバカっ!!』って」

OG 「やっちゃった」って(苦笑)

設楽 「もうそんな感じしかないんですよ。もう部屋は天上まで燃えてて、火が天上を這ってこっちまできそうな勢いで」

OG テレビの火災検証的な実験でよく目にするような光景?

設楽 「そうですそうです! もうまさにあんな感じで、しかもテレビで見るよりもスゴくデカいんですよ。もうあの光景を前に『消化器かなんかで火を消さなくちゃ』とかまったく思えなくて、あとね、音もスゴいんすよ。ジェットライターの音っていうか、とにかく『ブシ――!!ッブシ――!!ッブシ――!!ッ』っていってるんですよ」

OG それは恐ろしいですね……。

設楽 「めっちゃくちゃ怖いですよ。でね、部屋が玄関の近くだったから、子供もいましたし『こりゃヤベぇ、これちょっと逃げなきゃな』つって、着の身着のまま『とにかく、早く家から取り合えず出よう』つって、で、家を出るときに、家の電話の子機を持って」

OG 子機!? 携帯じゃなくですか?

設楽 「何かわからないですけど、子機を持って出ちゃったんですよ。オレって結構わりといつでも焦んないというか、あんまり緊張もしないし、とにかくあらゆる場面でそんなに焦んない性格なんすけど、今思うとそれって後々考えてみるとかなり超パニクってるんすよ。普通なら100%携帯なんすけど、家の電話の子機持ってっちゃってたから(苦笑)」

OG 親機は燃え盛らんとする家の中にあるわけですもんね(笑)

設楽 「その通りなんです。家から離れて119番ってやってもかかんないんですよ(笑)でも、パニクってやってっから何で電話がかからないのかがもうよくわかんなくて」

OG 119番にかからないもんだからまたさらにパニクるみたいな?

設楽 「もう全身が震えましたね。で、家を出たところに非常ベルとその下に消火器の入ってる赤い鉄の箱みたいのがあったんで、オレが押したのか奥さんが押したのかもう覚えてないんですけど、とにかくベルをブルルンって鳴らして、そのとき住んでたのが7階だったんすけど8階までその建物は住居だったんで、8階と7階のとりあえず全部の部屋に『ドンドンドンドン!火事でーす!!』つって。ベルも鳴ってるし、住人が『なんだなんだー』って出てくるんですよ。で、みんな集まってきて、若い人とかが消火器とかも色んなフロアから取ってきてくれて」

OG 住人が手を合わせて消火活動してくれたんですね!

設楽 「そうなんですよね、スゴいですよ。でも、オレは消化器で火を消すという思考がまったく思い浮かばなかったんですけどね。残念ながら消化器がそこにあることも気付かなかったし」

OG アハハハハ! でも、住人のみなさんが消火活動し始めたら自分もやらないわけにはいかないでしょ?

設楽 「そうなんですよね。でね、若い人が消火器を持ってオレの家に勇敢に入っていくんですよ。で、『ここはオレも行かなきゃだろ』と思って、消火器を持って行こうと思って玄関に入ったんですけど、その若い人はドンドン火の手の方に行ったんすけど、オレもまぁついては行ったんすけど……」

OG 自分の家が燃えてるのになんだか消極的なトーンですね?

設楽 「とにかく煙がスゴくてですね、なんか変な情報が頭に入ってて、煙を吸って死んじゃうとか聞くじゃないですか。なんかそんなのが頭をよぎったりして、それまでも結構なんだかんだで煙を吸ってたもんですから、ちょっと苦しかったんですよね。で、中入ってったら『これヤバいなー』と思って……、オレ、速攻で離脱しちゃったんですよね。しかもその若い人よりも先に(笑)」

バナナマン 設楽統

OG アハハハハ!(爆笑)

設楽 「あとですね、ドアを開けたらバックドラフトみたく爆発するんじゃないかとか、そんなことばかり考えちゃったんですよ。今考えると絶対そんなことないんですよ、あれは密閉された空間でなきゃ起こらないんですから。空気が無くなったとこに空気が流れ込んで爆発しちゃうんですもんね。オレんちなんて全然窓とか付いてたから大丈夫なんすけど、なんか、そんなのが頭よぎったりして」

OG いやぁ、恐縮ですがかなりのチキンハートですね(笑)

設楽 「ホントそうですよ(苦笑)あの若い人にはホント申し訳ないですね。ありがたかったんですけど、いち早く、しかも一番最初に離脱して、廊下のわきの方にあった小さな窓を開けてスーハースーハーと深呼吸してました。で、程なくして5分くらいで消防隊がやってきたんですよ」

OG 消防署へは設楽さんが通報したんですか?

設楽 「いや、オレの電話はそのとき家の電話の子機なんでまったく繋がらなかったですね」

OG あぁ、そうでしたね(笑)

設楽 「うちの1階下の人に子供を預けてて、そのときに電話してくれてたみたいなんです。そんでもう消防隊はすぐ到着してですね、もういっぱいですよ! ドドドドーッって感じで。消防隊員の方が『火はどこですか?』って、で『そこです、この奥の左の部屋です』つって。ただ、消防隊を見て安心した反面『あぁ、オレもうヤベぇことしちゃったなぁ』って恐ろしくなってきて」

OG いきなり冷静沈着な設楽統が戻ってきた?

設楽 「そうっすね、そっからはもう自分が火事の張本人なんですけど、目の前に広がる現実を一歩引いて、ある意味他人事のように見てましたね。消防隊員のみなさんが部屋にガガガッって入っていって、ものの数分で『消えました』って言われて『消防隊ってスゲぇ!』みたいに普通にギャラリー的に感心しちゃったり(苦笑)」

OG なんだかわかる気がします。でも、やっぱり消防ってスゴいですね。

設楽 「ホントにスゴいっすよ、めちゃくちゃカッコいいんですよ。20人くらいかなぁ、定かじゃないんですけど、外にはデカい消防車が3台、小さいのが4台くらいあったかな、そのデカい消防車には奥さんと子どもが気付いたら保護されてて、なんかもういちいち完璧なんすよね。消化方法ひとつにしても、水を使わないで消してくれたみたいで」

OG 水を使っちゃうとその後がもう大変だって聞きますね(苦笑)

設楽 「消化剤だと大丈夫なんですけど、水だと下の階とか他の部屋に水がいっちゃうんですよね。保険なんて、ある程度のラインを超えるとまったく保証されないですよ。ちょうど同じ区域で、7階建ての7階で火事が起こったとこがあったんですって。で、そこは、オレが住んでたとこよりももっと高級なマンションで、金持ちの人らしいんすけど。保険からはみ出た額の合計が7000万かな」

OG 7000万円ですか!

設楽 「7000万円全額自己負担って無理でしょ? 要は、下の家が水浸しになったのって全部火事を起こした人が直すわけじゃないですか。その中にものスゴく高価なもの、例えば着物の高いのなんかがあったら、全部それもやんなきゃいけないんですって。だから、そういう水とか使わなかったのはホントによかったなぁって」

すべてを燃やし尽くした火事場の炎地獄から生還したドロドロ野郎の正体とは!?

OG火が消えた後も脅威は続く、火事恐るべしですね……。設楽家も大切なものとか燃えちゃったんですか?

設楽 「燃えたのが自分の部屋だけなんで燃えたのはオレのものばかりですね。まぁ、服とかそういうのばかりですけど、大切にしてたエロDVDなんかは全部こう溶けてひとつの憎たらしい塊になってましたね」

バナナマン 設楽統

OG アハハハハ! まさにエロの塊(笑)

設楽 「不思議なくらい丸ーい塊になってましたね。あと、オレってお笑いの賞みたいなのにまったく縁がなくてですね、唯一、『虎ノ門』って番組で話術王っていうのがあって、それの第3回チャンピオンになってトロフィーを貰ったんですよ。そういうタイトルって獲ったことがないし、嬉しかったから机に飾ってたんですけど、見事にグニョーンってなってて、隣に置いてあったラジカセとくっついちゃってましたね」

OG CD再生機能付きトロフィーの誕生ですね(笑)

設楽 「まったく嬉しくないんですけど、いろんな機能が増えてんですよね(笑)誕生日にプレゼントでもらったゴルフセットなんてカバーと中身がひとつになってましたし、ガラス系のものは全部湾曲してましたし、驚いたのは『燃えない』ってのが“売り”だったはずの軍物のジャケット類なんて見事に丸焦げに燃えて溶けてましたね」

OG そこは燃えちゃダメじゃないですか(笑)

設楽 「『燃えないんじゃないのかよ!』ってね。もうとにかく全部ですよ、全部燃えちゃいました(悲)」

OG タバコ1本でそこまで燃えちゃいますか(しみじみと)

設楽 「いくもんなんですよ。消化が終わった後、実況見分があるんですけど、そこで出火の要因を聞かれて『タバコだと思います』つって、そしたら出火原因は机の下のここですつって言われて、そこまでわかるんすよね」

OG 部屋中丸焦げなのにですか!

設楽 「わかっちゃうんですよね。そこにはゴミ袋があって、ティッシュのクズとか紙くずとかに、捨てたタバコの灰に火種が残ってたんすよね。で、そこから火がついて、机はまだ燃えないんですけど、カーテンに燃え移ってそこからゴーッ!っと。で、いろいろ話を聞かれた後『はい終わりー』みたいになって、消防隊員の方々が帰ろうとするから呼び止めて『すんません、お金とか払わなくていいんですか?』って」

OG アハハハハ!たしかに気になりますよね(笑)

設楽 「めちゃくちゃ気になりますよ。ものスゴい数の人間がオレの家の火事のために動いてくれましたから。で、聞いてみたら『大丈夫ですよ!』って。その瞬間『うわーっ、消防士ってカッコいい!』って」

OG もはや完全にギャラリー視点ですよね。

設楽 「で、みなさん帰られて、で、焼けた部屋にひとり残されて『こりゃどうしようか……』って思ったときに、火元から超近いところに携帯を置いてたんですけど、もちろんドロドロになってるんですけど、その携帯がいきなり鳴りだしたんですよ」

OG ドロドロに溶けちゃってるのに?

設楽 「はい。で、もうビックリしちゃって『はぁ、こいつも生きてるんだぁ』とかわけのわからないこと思いながらドロドロの携帯に出たら相手はマネージャーでしてね、その日は仕事だったんで『いやぁ、火事になっちゃったんですよ』ってことでひとつ仕事をずらしてもらって、その後の『イロモネア(ウンナン極限ネタバトル! ザ・イロモネア 笑わせたら100万円SP)』には行ったんですけど、なんせ服が全部燃えちゃってますからとりあえず紙袋に必要なものを入れて、焦げたTシャツとジャージで行ったんですよ」

OG その「イロモネア」で異常なまでの気合いを出されて見事100万円獲ってますよね!

設楽 「しかもトドメはドロドロになった携帯ですから(苦笑)とにかく100万円は単純に嬉しかったですね。その後のことも考えたらお金が絶対に必要になるなって覚悟してましたから」

OG けっこうお金かかったんですか?

設楽 「ハンパないすよ(マジ顔で)燃えたのは自分の部屋だけでしたけど、消化剤の粉って細かくて結局全部の部屋に、家全体に飛び散っちゃうんですよ。もう全部入り込んじゃうから部屋が使えないし、他の部屋にもドカドカ入られてるからすっごく汚れちゃってて、あと単純に焦げたすっげぇイヤな臭いが充満してるんで住めたものじゃないんですよ」

OG ダイオキシンとか出ちゃいますもんね。じゃあリフォーム中は?

設楽 「火事当日から数日間はホテルを取ってもらって、その後はマンスリーマンションを借りて住んでましたね。で、リフォームとかクリーニングに入ってもらってって感じだったんですけど、ものスゴいですよ。毎日毎日、はいウン十万円、はいそれもウン十万円っ、日に日に金がそんなペースでボンボンなくなってくもんだから、『こりゃヤベぇ……、どうしよう!?』って」

バナナマン 設楽統

OG さっきも話が出ましたけど、保険でどうにかならないんですか?

設楽 「結構保険とかってやったことないからわかんないじゃないすか。部屋はいわゆる賃貸だったんで、保険も入るときに入らなきゃいけない保険だったんですけど」

OG 入居時に2万円くらい払うあれですね。

設楽 「そうそうそう! あれですあれです。で、すぐに紛失物みたいな書類を警察に届け出すんですけど、最初って何が燃えてなくなったかなんて全部が全部わかんないですよ。いろいろと後で気付いて『あ、あれも燃えたわ』とかあったんですけど、最初はとりあえずわかる範囲で出したんですね。そしたらもうそれが全てになるっていうから腹立ちましたよ。で、最悪なのは、いろいろと保険屋と交渉するんですけど。1回目は保険屋が『このケースでは保険金は一切出ない』って言うんですよ」

OG わっちゃー、マジですか?

設楽 「何だか難しい言葉でたたみかけられてたんですけど、要するにこの火事だと“人為的に火をつけた”という部類に入っちゃうと」

OG タバコの不始末は人為的に火をつけることになっちゃうんですか!

設楽 「そうらしいんですよ。で、保険金は0円だって(苦笑)」

OG ひ、酷すぎる……(苦笑)

設楽 「もう『えっ!?』ですよ。その前にもう結構自腹でお金が出てるんですよ。マンスリーマンションを借りたりだとか、火災現場を片付けるお金は全部自己負担だとか……。後で保険で賄ってくれるのかなって思ってたんですけどこれですもん。リフォームするにもフリーの清掃業者みたいな人にまず掃除を頼むんですけど、壁から何から全部はがして、もちろん全部キレイに片付けてくれるんですけど、それだけで50万くらいかかるんですよ。いきなり50万円の請求ですよ! そんなもんビックリするじゃないですか」

OG キッツいなぁ……、ド頭でそれだったら他もかなりかかったんじゃないですか?

設楽 「ゴミ片付けだけで『いくらですか?』って聞いたら40万ですとか……。もうね、そんなのがドンドン毎日のようにかさばっていくんですよ。毎日が『えっ!?』ですよ、『このままだと最終的にいくらになるんだ!?』と思って」

OG リフォームに入る前にそれですもんね。

設楽 「リフォーム代なんかは200万くらいだって言われて、それらも保険では賄えないってなって。もうどうしたもんかと思ってたところで親戚に保険屋さんがいたから相談してみたんですよ。じゃあその親戚が『私が間に出るよ』って言ってくれましてね、その人が間に入ってくれたら、いきなり保険金が出るようになりましたね」


PageTop

INTERVIEW BACK NUMBER

 HOME  OG STUDIO  INTERVIEW  SPECIAL  COMIC  ESSAY  OG PRESS  BACK NUMBER