国際【鼓動】露からの独立 日本の新原発希望 リトアニア+(1/5ページ)(2012.9.29 18:00

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【鼓動】
露からの独立 日本の新原発希望 リトアニア

2012.9.29 18:00 (1/5ページ)
リトアニア・ビサギナスにある設立記念の石碑。「この都市は、原発で働く作業員のために造られた」と記されている

リトアニア・ビサギナスにある設立記念の石碑。「この都市は、原発で働く作業員のために造られた」と記されている

 東京電力福島第1原発事故が各国のエネルギー政策を揺るがす中、日本で培われた技術を信頼し、原発計画を推進している国がある。ソ連から独立を果たしたバルト三国のリトアニア。東日本大震災からわずか4カ月後の2011年7月、日立製作所に発電所建設の優先交渉権を与えた。チェルノブイリ原発事故、ソ連崩壊、そして欧州連合(EU)加盟と、歴史に翻弄されてきた建設予定地の住民は、日立製作所の原発を「希望」「神からの贈り物」とさえ評している。(リトアニア北東部ビサギナス 佐々木正明、写真も)

 首都ビリニュスの北東約150キロ、ベラルーシとラトビアの国境沿いに位置するビサギナス。この街で原発計画が進んでいる理由は、リトアニアの電力事情やソ連時代の歴史と深く関わっている。

 森と湖に囲まれた地に、人工都市ビサギナスが造られたのは1975年だった。ソ連政府は、この地域一帯の電力供給をまかなうために、イグナリナ原発を建設することを決定。ソ連崩壊で隣国ベラルーシとラトビアは独立し、カリーニングラード州はロシアの飛び地となってしまうが、当時は一つの国家の中にあり、原発は民族を統合する象徴プロジェクトでもあった。

 ソ連全域から原子力関連の専門家や作業員が集められた。人口は3万人を超え、うち約8千人が原発に通う労働者。残りの住民もその家族や飲食店関係者、行政職員らで、ビサギナスはソ連でも有数の“原発城下町”となった。今でも街では、リトアニア語よりもロシア語の方が通じる。

このニュースの写真

ソ連時代に建設されたビサギナスのイグナリナ原発。閉鎖作業が進められている
ビサギナスのダーリア・シュトラウパイテ市長

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