新元素確定:電力不足乗り越え証拠つかむ…理研チーム
毎日新聞 2012年09月27日 00時12分(最終更新 09月27日 03時21分)
「化学のバイブル」と呼ばれる元素周期表にメード・イン・ジャパンの名前を載せ、日本を元気にしたい−−。10年かけて100兆回も原子同士を繰り返し衝突させるという途方もない努力を続けた理化学研究所のチーム。東日本大震災後は電力不足という逆境に直面したが、チームワークで「新元素発見」を決定付ける証拠をつかんだ。
記者会見で理研の野依(のより)良治理事長は「我が国、科学界の悲願と言っても過言でない。初めての元素の命名権(獲得)に大きく近づいた」と成果を強調した。
道のりは決して平たんではなかった。自然界に存在しない「超重元素」を人工的に作る実験を計画したのは20年以上前。原子を加速するための加速器を整備し、03年から113番目の元素を見つけるための実験を始めた。04年と05年に一つずつ見つけたが、その後は成果が途切れた。