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福島っ子の保養に人気 線量気にせず外遊び 山形・小国

保養に訪れた子どもたち。プール遊びの後、体育館の壁面登りを楽しんだ=8月上旬、山形県小国町

 福島県内の子どもたちに放射線量の低い場所で休日を過ごしてもらおうと、山形県小国町で「山形つながるプロジェクト」と銘打った短期保養が実施されている。中心となるのは、山形市の主婦徳永美嘉さん(56)。資金不足や人手不足という課題を抱えながら、利用者の「長く続けてほしい」という声に応えようと日々奮闘している。
 「山形つながるプロジェクト」は、小国町の民家に宿泊し、里山での外遊びを楽しむ企画で、7月に初めて行われた。2泊3日の日程で福島県の親子18人が参加し、近くの小学校の屋外プールや体育館の遊具で遊んだ。
 福島市から小学生の息子2人と参加した母親は「福島市から小国まで車で2時間ほどで着く。隣県に受け入れの場があるのはありがたい」と話した。
 プロジェクトは、徳永さんを軸に、地元住民やボランティアが運営する手作りの保養企画だ。口コミやインターネットなどを通じて情報が広まり、9月まで3回のツアーは早々と定員に達した。大人1000円、子ども500円という低価格の参加費も人気の理由だ。
 徳永さんは昨年の震災直後、被災地で炊き出しなどのボランティア活動に当たった。その後、福島に接する山形に、保養受け入れの場が少ないことに問題意識を持ち、自ら行動に出た。「保養は子どもの体を休めるだけでなく、大人たちが原発事故後の生活の不安や悩みを語り合う場にもなっている」と実感する。
 山形県内の保養企画は、徳永さんのように個人が手弁当で小規模に行うケースが多く、保養ニーズに追いついていないのが現状だという。
 徳永さんは「冬になると、外出の機会が減ることからストレスをためる人も多く、保養の重要性はますます高まる」と指摘。「継続には人手と資金が必要。山形の保養の現状をもっと多くの人に知ってほしい」と、支援の広がりに期待している。
 プロジェクトは現在、10月に予定する短期保養の準備を進めている。連絡先は徳永さん080(6033)0596。


2012年09月22日土曜日


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