前日の18位タイから、3アンダー5位へ躍進した平塚哲二
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◇コカ・コーラ東海クラシック<第3日>
▽29日、愛知県・三好CC(7315ヤード、パー72)▽晴れ、気温26・4度、風速1メートル▽賞金総額1億2000万円、優勝2400万円▽64選手(うちアマ1人)▽観客7571人
ベテラン・平塚哲二(40)=甲賀CC=が68の好スコアで優勝圏内に浮上した。5バーディー、1ボギーと伸ばし、通算3アンダー。ゴルフ界きっての酒豪は二日酔いながら、「酔拳ゴルフ」で首位と2打差の5位につけた。首位から出た川村昌弘(19)=マクロミル=はイーブンパーにまとめ、通算4アンダーで首位と1打差の2位をキープ。石川遼(21)=パナソニック=は71で回り、通算2オーバーで16位に浮上した。
二日酔いでも平塚の球筋は力強かった。前夜はスポンサーとのパーティーがあり、ホテルに帰ったのは午前0時。「シャンパンばかりいっき飲み。きょうも酔拳かぁと思ってプレーしてましたわ」。ゴルフ界きっての酒好きが、豪快に三好を攻め抜いた。
思いつきがはまった。前日までは右に打ち出すドロー中心。だが「途中からガチャガチャになった」。ショットが乱れ、2日目は76の大崩れ。気を取り直し、この日の練習でふと「フェードでいこう」と球筋を変えると、1番からバーディー発進。5番で後退したが、後半は12番で残り125ヤードから2メートルに寄せるなどショットが安定。「後半はほとんどピンチがなかった」と振り返った。
無類の酒豪。「昔は試合直前まで飲んでいた」。35歳のころに一度、3カ月の禁酒生活を送ったが、「飲まなくても体調は変わらなかった」とあっさり解禁。今は朝帰りこそしないが、それでも「冷酒から焼酎、最後は酎ハイ」が最近のパターン。「酒飲んで騒ぐのが好き。気晴らしですわ」。とことん陽気。でも、クラブを握ると違う。
「人が変わると言われます。練習でも話さないから。ゴルフは仕事ですよ」。根は勤勉。「45歳でピークを迎えたい」というベテランにとって、一番うまいのはやはり勝利の美酒だ。「勝った後、こっそり飲むのがいいんです」。首位とは2打差。逆転の今季初勝利で、心に染みる一杯を味わう。 (寺西雅広)
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