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【グラニュース】


怒りの闘莉王 魂の叫び

2012年9月30日 紙面から

◆新潟5−0名古屋

 上位陣では名古屋グランパスが新潟に0−5で、磐田はFC東京に1−2で敗れた。C大阪は神戸に3−2で逆転勝ちした。首位の広島が得点王争いトップの佐藤の2ゴールなどで鳥栖に4−1で快勝し、勝ち点53で優勝争いから一歩抜け出した。2位仙台は清水に1−3で敗れ、広島との勝ち点差は5に広がった。最下位の札幌は川崎に0−1で敗れ、4度目のJ2降格が決定した。

 落胆、羞恥、憤怒…抱えきれない心の痛みを、闘莉王は赤裸々に吐き出した。試合後の取材エリア、力が抜けたようにキャリーバッグに座りこむと、自嘲気味に切り出した。「気持ちの差だよ。札幌、ガンバ、新潟と下位に負けて…次は大宮? 次も危ないね」。そして断言した。「もう優勝はない。ACLも難しいくらい」。わずかに残っていた逆転優勝へ、チームは闘志の炎すら見せられなかった。そして、事実上の終戦を迎えた。

 ロスタイム黒星で優勝戦線から脱落した22日の広島戦のショックは、癒えていなかった。残留圏でもがく新潟の必死さに飲み込まれ、後半だけで5失点。リーグ戦1勝1分け6敗と鬼門だったビッグスワンのピッチで、無残な姿をさらした。新潟に先制され、後半13分からは闘莉王が1トップに入ったが、逆に大黒柱が抜けたDFラインは崩壊。「辞めちゃおうかと思うくらいだよ。恥ずかしい」と頭を抱えた。首位広島との差は絶望的な「12」に開き、ACL出場権を獲得する3位以内が現実的な目標となった。

 広島戦の翌23日、ショックと正面から向き合い、乗り越えようとしたのが闘莉王だった。ミーティングでは主力選手を名指しして奮起を促し、外国人選手とは個別に話し合い、指揮官にまでも戦術面の修正を直談判した。そこまでしても変わらなかったグランパス。立て直し策を問われた闘莉王は、容赦なかった。

 「わかるよ。オレはわかる。クビにすりゃいいんだよ、やりたくないやつは」

 闘志なき者は去れ−。厳しい言い方だったが、真の常勝軍団となるために、痛みを伴った改革を進言した。

 今季残り7試合、優勝の可能性もゼロではないが、闘莉王は「プライドのためにやってほしい」と訴えた。

 「正直このままでいいっていう昔の名古屋がいまだにある。それを直さない限り、優勝はできない」

 プロとして、アスリートとして、これでいいのか。中位に沈んでも、降格しなければいいのか。大黒柱の心の叫びは、グランパスに化学変化をもたらすのだろうか。 (宮崎厚志)

 

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