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超伝導リニアは演歌する 昭和ノスタルジックな試乗会 |
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大月まで行って、驚いたのはとんでもなく山の中だということだ。リニア見学センターの柵には、「熊出没 登らないで下さい」と手書きの注意書きがぶら下がっていた。
熊? リニアモーターカーに抱いていた未来とテクノロジーのイメージが揺らぐ。なぜそんな山奥に実験線を作ったのか、その謎はじきに解けたのだが。でも熊?
そもそもなのである。リニア見学センター、売っているのが「甲州銘菓 リニアマロンケーキ 山梨県産地限定品」にリニアネクタイピンにリニアライター、さらに演歌であろう、しかもカセットテープで売られている「リニア讃歌」、B面は「望郷ごころ」。建設費用二千数百億円でリニア讃歌というのはどういうことか。
テクノロジーが、てくのろじーと平仮名になった感が大であって、しかも同乗したのは時速500kmが文字通りの冥土のみやげといったおじいさんおばあさん。見学センターの入り口には、記念撮影用に超伝導リニアの小さな模型もあったりして、本当に科学の粋を集めたのか。
ここは間違えて富士急ハイランド? 超伝導リニアというか、乗せられるのはドドンパ? それぐらい観光地となっている。
案内に従い、ぞろぞろと中へ入り、簡単な説明を受けた後、順番に乗車する。全席指定だ。飛行機のようにドアがパカッと上に跳ね上がる。
リニアモーターカー、写真で見るより丸い。空気抵抗を極限まで減らすため、ボディは円筒に近く、先頭部分はものすごく鼻が長い。4両編成で前と後ろの顔が違う。デザインによる空気力学特性の違いを検証するためという。 |
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