新種ウィルス ヒトから感染の可能性低い

9月29日 0時52分

ＷＨＯ＝世界保健機関は、２８日、呼吸困難や腎臓障害などの症状で治療を受けているカタール人の男性から検出されたコロナウイルスの新種について、「ヒトからヒトへ感染する可能性は低い」とする調査結果を明らかにしました。

このウイルスは、サウジアラビアを訪れたあと今月３日に呼吸困難や腎臓障害などを発症し、イギリスの病院で治療を受けている４９歳のカタール人の男性から検出されたもので、ＷＨＯなどの調査で新種のウイルスであることが分かっています。
サウジアラビアでは、ことし死亡した６０歳の男性からも同じウイルスが検出されています。
この新種のウイルスについてＷＨＯは、２８日に声明を発表し、新たな感染例は確認されていないとしたうえで、「ヒトからヒトへ感染する可能性は低い」とする調査結果を明らかにしました。
このウイルスは、２００３年に流行した新型肺炎「ＳＡＲＳ」を引き起こすウイルスと同じ仲間のコロナウイルスの新種で、ＳＡＲＳのウイルスとは遺伝子構造などがまったく異なるということです。
ただ、これまでに感染が報告された２人の患者は、いずれも急激に重症化したことから、ＷＨＯでは、引き続き各国の保健当局に対して注意するよう呼びかけています。