日本触媒の姫路製造所(兵庫県姫路市)で29日発生した爆発事故で、紙おむつなどの製品供給に影響が出そうだ。同工場は紙おむつ向け樹脂の世界シェアで約2割、その原料となるアクリル酸で約1割をそれぞれ握る。国内外の他メーカーにも樹脂原料を供給しており、価格高騰など影響が広がる懸念がある。
事故が起きたのは紙おむつ向け高吸水性樹脂「SAP」の原料となるアクリル酸の貯蔵設備。事故調査や原因究明、再発防止策の策定まで「半年かかる可能性が高い」(化学メーカー)とされ、長期の製造休止は避けられそうにない。
同社のSAPの生産能力は世界シェアの3割にあたる年47万トン。うち32万トンを姫路製造所が生産している。在庫は1カ月程度という。
SAPは世界では独エボニック、独BASF、三洋化成工業子会社のサンダイヤポリマー、住友精化が生産している。新興国の紙おむつ需要拡大でフル生産が続き、代替生産する余地が少ない。
米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)はアジア向けの紙おむつに使うSAPの多くを日本触媒から調達している。同社の日本法人は「アジア供給への影響を最小限にとどめるため、代替調達の準備を始めた」と話している。
紙おむつの国内市場で子供用で約4割、大人用で約5割のシェアを握るユニ・チャームは日本触媒からSAPを仕入れていないため「すぐの影響はない」という。おむつメーカーは化学メーカーと共同で独自のSAPを開発することが多く、取引が固定化している。
ただ、姫路製造所はアクリル酸も年46万トン生産している。過半を自社で使用しているが、塗料やSAPの原料として国内外の化学メーカーに供給。アクリル酸の供給量が長期間落ちると「代替品の調達競争で価格高騰を招く」(化学メーカー)可能性もある。
日本触媒の西居康仁取締役専務執行役員は「少なくとも億円単位の損害が出る」と話す。
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