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宮城沖漁船沈没 救助された乗組員家族らが到着
 | 事故の状況確認などのため、第2管区海上保安本部に入る三重外湾漁協の関係者ら=28日午前10時15分ごろ、塩釜市貞山通 |
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宮城県・金華山の東約900キロの海上で、三重外湾漁協紀州北支所(三重県紀北町)所属のカツオ一本釣り漁船堀栄丸(約119トン、22人乗り組み)が貨物船と衝突、沈没したとみられる事故で、僚船の光栄丸に救助された乗組員9人の家族らが28日、三重県から宮城県塩釜市に隣接する多賀城市内のホテルに到着した。 9人は光栄丸で29日早朝、塩釜港に入り、家族らと対面、行方不明になっている乗組員の家族らとも面会する予定。 多賀城市に到着した一行は救助された日本人の乗組員5人の家族ら11人と漁協関係者、紀北町役場職員ら計16人。漁協関係者ら4人は、第2管区海上保安本部(塩釜)で捜索状況などの説明を受けた後、塩釜市役所、同市魚市場を訪問し、捜索などへの謝意を表した。 取材に応じた三重外湾漁協の畑金力常務理事(61)は家族の様子について「心労が重なっている。今も13人が行方不明となっており、複雑な思いが交錯していると思う」と話した。事故については「2万5000トンと100トン級の船がぶつかることを想像すると、本当にいたたまれない」と沈痛な面持ちで語った。 2管などは28日も捜索を行ったが、行方不明者を発見することはできなかった。同日夕までに海保の巡視船えりも、ざおうの2隻は、接近している台風18号から避難するため捜索を中断。ざおうは燃料・食料補給のため塩釜港に戻り、代わって巡視船くりこまが天候の回復を待って出動する。
◎捜索漁船続々帰港 気仙沼港
宮城県沖で貨物船と衝突、沈没したとみられる三重県紀北町のカツオ一本釣り漁船堀栄丸の事故で、行方不明となっている乗組員13人の捜索に加わったカツオ漁船4隻が27日夜から28日にかけ、水揚げのため、気仙沼港に続々と入港した。 第28鳳丸(宮崎)の中城洋介漁労長(54)は一報を聞いて約150キロ離れた現場に急行した。「風が強く、波も高い最悪な状況だったが、少しでも早く見つけようと全船が懸命に捜索した」と振り返った。 第183佐賀明神丸(高知)の森下靖漁労長(39)のもとには、気仙沼市内のホテルに滞在する行方不明者の家族の一人があいさつに訪れ、感謝の言葉を繰り返した。森下漁労長は「何と言葉をかけていいか分からなかった。悲しすぎる事故だ」と話した。 この日、紀北町の尾上寿一町長は滞在先のホテルに行方不明者の家族を訪ねた。尾上町長は「家族からは『台風が過ぎた後も捜索を続けてほしい』という要望があった」と話した。
2012年09月29日土曜日
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