社説:東京駅復元 時の流れを思う場所に

毎日新聞 2012年09月30日 02時30分

 JR東京駅は首都の「顔」と呼ぶ人もいるし、そういう面もあるのだけれど、「へそ」だとも考えられる。周囲にはモダンなビルが建ち並んでいる。そんな中で高さは低いけれど、動かない定点のように堂々とした雄姿を見せている。周りの状況がめまぐるしく変わっても、そこは歴史と記憶を刻み続けている。

 こう話すのは、建築評論家の馬場璋造(しょうぞう)さんだ。多くの人々が集い、出会い、楽しんでは、通り過ぎていく定点。「へそ」というのはわかりやすい比喩かもしれない。

 東京駅丸の内駅舎を開業時(1914年)の姿に復元する工事が終わり、10月1日にグランドオープンする。赤レンガに白い花崗(かこう)岩を組み合わせたデザインが美しい。

 東京の鉄道駅で最初に発達したのは新橋や上野だった。東京駅は日本が日露戦争に勝利し、国の力が高まる中で建設された。設計は「日本近代建築の開拓者」とも呼ばれ、日本銀行本店(東京)や大阪市中央公会堂(北区中之島)などの設計でも知られる辰野金吾。その代表作だ。

 頑丈な建物で関東大震災でも、大きな被害は受けなかった。45年の東京大空襲では、二つのドームや3階部分が焼失したが、基礎構造部に致命的な被害はなかった。47年に修復され、ドームは八角屋根にされ、3階は撤去された。資材が乏しい中での応急措置だった。

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