子供たちの「遺書」名古屋市高2女子飛び降り自殺「もうつかれたの。最後のわがままきいてね」

2012年09月16日(日) フライデー

フライデー経済の死角

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〈いじめを受けた人は、深い心の傷を負い、いじめを思い出しては、何年も苦しむのです。(中略)何故、昨日まで仲良くしていた友達がそんな事をするのか・・・。裏切られた気持ちと自分の身に何が起こっているのかが分からない気持ちでいっぱいになりました。そして、いじめはどんどんエスカレートしていきました〉

 この作文を書いた1年後に美桜子さんは自らの命を絶った。生きたいという強い思いが作文の最後にこうした文言で綴られている。

〈いじめは人の心を殺します。絶対にあってはいけないものです。この世からいじめがなくなる事を私は一生願い続けます。(中略)私達一人一人がいじめの悲惨さについて考え、いじめを絶対に許してはならないと強い気持ちで立ち向かうこと、それがまず第一歩だと思います。もしあなたがいじめに遭遇したら見てみぬふりをしないで下さい〉

 控訴審の判決はまもなくだと思われるが、娘の書き残した『自分との戦い』を引き継ぎ、典子さんの〝母の戦い〟はまだまだ終わらない。

 文部科学省は8月31日、いじめ対策総合推進事業を来年度から実施する方針を決めた。国や地方自治体が、いじめ問題について関心を高めるのは喜ばしいことだが、それだけではいじめは無くならない。加害者や学校側の「ただのいたずら」という安易な意識が拭われない限り、いじめの被害者は後を絶たないのだ。

「フライデー」2012年9月21日号より

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