経済の死角

子供たちの「遺書」名古屋市高2女子飛び降り自殺「もうつかれたの。最後のわがままきいてね」

2012年09月16日(日) フライデー
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「いじめを受けていた時に死んだわけじゃないんです。いじめられた時の記憶が、美桜子を自殺に追い込んだんです」

 こう涙ながらに話すのは、'06年8月18日に亡くなった、高橋美桜子さん(当時16)の母、典子(54)さんだ。美桜子さんは当時、愛知県豊田市の私立南山国際高校に通う2年生。過去のいじめの影響で突然パニック症状が現れるなどの障害が出て、治療中に自宅マンションの8階から飛び降りて自ら命を絶った。

 搬送された病院で美桜子さんの遺体と対面した後、自宅に戻った典子さんは、破かれたノートに書き残された『遺書』を居間のテーブルで見つけたという。

〈まま、大好きだよ。みんな大好きだよ。愛してる。でもね、もうつかれたの。みおこの最後のわがままきいてね。こんなやつと友ダチでいてくれてありがとう。本当にみんな愛してるよ。でも、くるしいよ〉(引用原文ママ)

 美桜子さんは、カナダ人の父親と典子さんとの間に生まれた。両親の離婚後、4歳の時にカナダから帰国し、その後は祖母のいる愛知県刈谷市で3人で暮らしていた。'02年、典子さんが英語科教員として勤務する市邨学園短期大学(現・名古屋経済大学短期大学部)の系列の、市邨中学に美桜子さんは入学する。ところが、1年の夏休み頃からいじめが始まり、同級生8人から「うざい」「きもい」「死ね」などの言葉を日常的に投げつけられるようになる。3学期にはスカートを切られる、靴の中に画鋲を貼り付けられるなど、いじめはさらにエスカレートしていった。当時の美桜子さんの様子を、典子さんが苦しそうに振り返る。

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