<草刈民代(女優)>
元バレリーナで女優の草刈民代(47)が全国のおばさん主婦、いや熟女たちの共感を集めている。火曜夜のNHKドラマ「眠れる森の熟女」で、親子ほど年の離れたイケメン御曹司に溺れる主婦役を演じ、これが大ウケというのだ。
「韓流ドラマのような、あり得ない設定ですが、草刈さん演じる四十路の女性が等身大というか、実にリアルなんです。夫から突然離婚を切り出され、その理由が不倫だと知って愕然(がくぜん)とするところとか、今さらひとりで生きていかなきゃならないのかと落胆する姿は、これまでのツンとしたイメージとは大違い。それが同じ年代の主婦や、結婚に悩むOLの心に届き、かつ、いくつになっても変わらないシンデレラ願望をくすぐっているのでしょう。草刈さんは一皮むけたって評判ですよ」(スポーツ紙芸能デスク)
それだけじゃない。来月公開の主演映画「終の信託」では、浅野忠信演じる医師との濃厚なラブシーンを披露し、こちらも話題なのだ。
メガホンを取ったのは夫の周防正行監督。役柄とはいえ、夫の目の前で他の男とベッドインとはすごい。先の完成披露試写会でそのことを質問されたところ、
「自分のことだけ考えてやったので、夫の存在には邪魔されませんでした」
と、シレッと返していた。映画での役どころは、終末医療に臨む女医。ドラマでの吹っ切れた演技といい、「何かあった?」とワイドショーならずとも気になってしまう。前出のスポーツ紙デスクはこう言う。
「映画の撮影に際して、草刈さんは『別居したい。一緒にいられない』と周防監督に申し出たそうです。監督が苦笑交じりに明かしていました。NHKドラマの主婦のように、私生活でも離婚調停かとも思ったのですけど、映画製作に集中するためだったようで。打ち上げ後に監督と仲良く手をつないで帰って行ったと証言する出演者もいるし、いまのところ、別居とか離婚という話は入ってきてはいません」
1965年、東京都新宿区出身。父親は中央精版印刷株式会社社長の草刈龍平氏。8歳で小林紀子バレエアカデミーに入門、2009年の引退まで36年間、バレリーナ人生を送ってきた。引退会見で「今後は映画やお芝居へ活動の幅を広げたい」と語っていたが、テレビのバラエティーに出演したり、ヘアヌード写真集を発売したりと、女優以外での活躍も目覚ましい。そのパワーの秘密について、こんな声もある。
「自分のことだけ考えてやった、というのは、映画撮影の時だけの話じゃないかもしれません。周防監督と結婚して15年経ちますが、監督は『たみちゃん』大好きで、草刈さんの言うことなら、何でも二つ返事で従っちゃうそうです。女王様じゃないけど、普通の主婦のように、家事や家計に追われるということは一度もないのではないでしょうか」(女性誌記者)
ドラマで演じる役柄とは、ある意味、正反対の毎日を送っているのかもしれない。
(日刊ゲンダイ2012年9月27日掲載)