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【東京】八王子のスポーツ施設開発 残土利用の造成に反発
八王子市川町で民間団体によるスポーツ施設の建設計画が持ち上がっている。事業者は、谷間の土地を六十万立方メートルの建設残土で埋め立て、サッカー場や野球場などを整備する予定。事業費十二億円のうち十億円を残土受け入れの収入で賄う方針だが、一部住民は「残土処理ありきではないか」と反発している。百人が「川町の環境を守る会」を組織し、建設中止を求める署名活動を始めた。 (福岡範行) 計画しているのは、八王子サッカー協会などでつくるNPO法人「東京スポーツビジョン21」。谷間の十五ヘクタールを造成して五ヘクタールを平地にし、サッカー場二面、テニスコート七面、野球場、アーチェリー場を建設する予定。現在、市や都に事前相談している。 守る会は、NPO法人側が住民説明会で、施設完成後の運営計画を示さなかったことなどに不信感を抱いた。浅川に通じる大沢川の源流域で、ホタルやイノシシなどの生息する自然の保護を主張。「事業計画にある緑地やビオトープによる保全策では不十分」と訴えている。 守る会の川又秀夫代表(64)は「サッカーの名を借りた残土の持ち込みと感じる」と指摘。六千人分の署名を目指し、市議会十二月定例会に請願を提出する方針だ。 八王子サッカー協会長でNPO法人の小泉修理事長(63)によると、市内のスポーツ施設不足は深刻。会場が足りずに四十五分ハーフを三十分に短縮して大会を開くなどしている。こうした状況の改善を図るために施設建設を考えたという。残土処理を建設資金の柱にすることは「資金力のないNPOが事業をするための枠組み。上場企業にも関わってもらい、信頼性を高めている」と強調する。 NPO法人がまとめた完成後の運営計画によると、施設利用料などで毎月百五十万円の収入を見込み、草刈りなどの整備を利用者も担うことで管理費を抑える。収支を安定させる構想を三年前に策定しており、地元への説明を重ねて理解を得たいという。 PR情報
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