もともと『十九歳の地図』などの中上作品を愛読していたという高良。シンポジウムでは、中上原作の映画に出演したことで役者として大きく成長できたという話や、自分が中上作品に参加することで若い女性にも中上を知ってもらえたら......など、大いに"中上健次愛"を語ったという。
そんな高良に熱いラブコールを送ったのが、浅田彰だ。
なんでも、07年に公開された青山真治監督の『サッド ヴァケイション』のときから高良に目をつけていたという浅田は、壇上でも「ナイフのような存在感」とベタ褒め。しかし、若松に対しては「『千年の愉楽』は洗練されすぎている」「もっと若者の無軌道な情動を描いてほしかった」といった具合に手厳しい評価。挙げ句は「高良さんだけいい」「高良さんはよかったけど、青山真治のほうが高良さんの良さを引き出していた」と高良にだけ熱視線を向け、浅田と若松監督の間に座った高良がオロオロする一幕もあったという。
このように、男からも熱烈に愛され、メロメロにしてしまう高良。確かにこの夏、ファッション誌「non-no」(集英社)の人気モデル・野崎萌香との熱愛が発覚した際も、女性ファンから悲鳴が上がるかと思いきや、ネット上では「高良ってゲイだと思ってた」「俺の高良に手を出すんじゃないわよ」などなど、"別な方向"からの意見が殺到。
そもそも、"高良ゲイ説"が流布したのは、無名時代にモデルとして参加したゲイの写真家レスリー・キーの写真集『SUPER STARS』がきっかけ。
縄のように細いふんどし一丁で股間の黒々とした茂みを惜しみなく披露し、局部を強調するようにポーズを決めた高良の写真は、もはや伝説的ゲイ雑誌「薔薇族」(第二書房)のグラビアかと見紛うほどの美しさ。六分刈りの短髪で、キリリとした目で艶めかしく挑発するそのカットに、「これは本物!」「チ●コもタマタマも写ってるわよね!?」「死ぬまでオカズにできるわ」と、ゲイ界隈から称賛を浴びた。その人気は今も衰えることがない。
ちなみに、中上がよく使った言葉に「朋輩」(ほうばい)というものがある。これは和歌山の方言で"親友、仲間"という意味なのだが、高良を重用する若松監督は、現在公開中の映画『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』について、"三島というより「楯の会」に魅かれる"という旨の発言を残している。若松監督の関心は男たちのホモソーシャルな絆にあったといえるが、これは中上にも通ずる点だろう。
中上を愛し、若松監督や浅田にも愛される男・高良健吾。昔ながらの"男の絆"を体現できる役者として、これからも活躍することは間違いなさそうだ。
(文=須田林)
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