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“小さなノミ”乾が一気にブレーク!魔法使いだ- 夕刊フジ(2012年9月29日17時06分)

 【ワールドサッカー】ドイツ、ブンデスリーガ・フランクフルトのMF乾貴士(24)の株が急上昇している。

 開幕直後は地味な存在だったが、3戦連続ゴールで一気にブレークし、地元紙ビルトは「魔法使いタカの頭から足の先まで全解剖」との見出しで、乾を大きく紹介している。

 フェー監督によると、乾は「規律正しく、ごまかさない」という日本人選手共通の特徴を備え、「サッカー一筋、まじめで向上心の塊」となる。

 開幕前後は目立たなかったが、きっかけは「9月初旬に妻と2歳の息子がドイツに来たこと」。家族と一緒に生活するようになり、パフォーマンスは劇的に向上した。

 年俸はチーム内でも決して高くはない70万ユーロ(約7000万円)。マンチェスター・ユナイテッドのMF香川真司の600万ユーロ(約6億円)と比べると、けたが1つ違う。香川はドルトムント時代も“薄給”といわれたが、それでも昨季150万ユーロだったことを考えれば、いかに乾の年俸が低いかが分かる。しかし、本人は「ボーフム(50万ユーロ)より上がった」と喜んでいる。

 身長171センチ、体重59キロと小さいが、スピードとテクニックを備える乾は「敵は止めるのが難しい。小さな日本のノミ」と評される。ちなみに「ノミ」はバルセロナのFWメッシの愛称。つまり、高く評価されているということ。

 昨季は、かつて元日本代表MF小野伸二(現清水)が所属した2部ボーフムで30試合にスタメン出場、7ゴールを挙げた。香川の影で話題にならなかったが、1部に復帰したフランクフルトが移籍金120万ユーロで獲得したことで、待望のブンデスリーガでのデビューを果たした。

 思えば、香川がC大阪からドルトムント入りした際の育成補償金も、たった35万ユーロ(約3500万円)。結果がすべての世界だけに、乾にも“第2のシンジ”になるチャンスは十分ある。(大瀧真砂子)


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