韓国 国連で慰安婦問題に言及

9月29日 12時28分

韓国のキム・ソンファン外交通商相は国連総会で演説し、「戦時の性的暴力は重大な人権侵害だ」と述べて、間接的に、太平洋戦争中のいわゆる従軍慰安婦の問題に言及したほか、島根県の竹島を巡っては、名指しを避けながらも、国際法にのっとった解決を主張する日本を批判しました。

この中で、韓国のキム外交通商相は、「戦時の女性に対する性的暴力は、重大な人権侵害だ。歴史は悪質な行為を教訓として警告している」と述べて、間接的に「慰安婦」について言及し、「犠牲者の救済や賠償、そして加害者に制裁を与えるよう努力しなければならない」と主張しました。
韓国が国連総会の一般討論で、この問題に触れるのは初めてです。
また、竹島の問題を巡っては、日本が国際司法裁判所への共同提訴に韓国が応じるよう求めているのに対し、キム外交通商相は「どの国も国際的な司法手続きや『法の支配』を乱用して、ほかの国の主権や領土の保全を侵害するべきではない」と反論し、日本をけん制しました。
ただ、キム外交通商相は演説で、日本を名指しすることはなく、日韓関係をこれ以上悪化させたくないという思惑があったとみられます。
また、日本の国連代表部も、名指しでの批判がなかったことなどから、反論する権利を行使せず、尖閣諸島を巡って中国の楊外相の演説に反論した前日とは姿勢の違いを見せました。