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「お役に立つ健康情報からちょっとマニアックな事柄まで」をテーマに書いています。
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当研究所の食事指導は、東洋医学の陰陽五行論による細やかなバランスと、現代栄養学で解明された栄養素や身体の働きによる消化・吸収の理論を駆使して、患者様一人ひとりにあった食事指導を行っています。
食についていろいろと解説していきます。
各項目をクリックすると、すぐに説明に移ります。 からだに合った食事の分量と割合 ・食事の分量 ・食事の割合 食事の基本は内容とタイミング ・内容とタイミングなど |
●食事の分量
食事の分量については「腹八分目に医者いらず、腹六分目に老い知らず」といわれています。
なんでもそうですが、余裕がなければ動きが悪いものです。何でもかんでも栄養をつけろで、お腹に放り込んだらいいものではありません。
今の時代は、栄養不足で病気になる人は日本にはまずいないと思っていいでしょう。逆に、栄養の摂りすぎで病気を作っていることが多いです。食べれば食べるほど、活性酸素が増えて体内の細胞などを傷つけてしまいます。
如何に食事をコントロールして自身の健康を保つか。小食が健康の秘訣です。
(普通は腹四分か五分で胃の上口の閉まる音が聞こえます。その時を逃すと、胃の上口のしまりがなくなって、あとはいくらでも食べられ、腹がはちきれるほどつめ込んでも平気になります。
「豚のごとく食べよ」ともいわれます。豚はどんなに好物を目の前に出されても、けっして腹八分目以上は食べません。人間のほうが豚よりいじきたないといわれてもしかたがないのです。
●食事の割合
何をどれくらい食べるのが正しいのか、ということについても定まった人体生理があります。
日本人は穀食民族で、主食は穀類ですが、西欧人は肉食民族で主食は肉です。
知り合いに西欧人がいたら、口の中を見せてもらってください。臼歯の先がとがっていて、日本人の丸い臼の歯と違うことに驚かれることでしょう。歯の形は、その民族の歴史であり、内臓の機能も歯の形にしたがった状態になっているのです。民族特有の栄養学がそれぞれにあるのです。
日本民族が西欧の文化を取り入れるときに、栄養学まで取り入れてしまいました。それでも西欧の栄養学に耐えられる人はいいでしょうが、今の食事で不健康や病気になりがちな人は、日本民族らしい人といえるわけで、日本の文化(日本食の栄養学)に従った食事にしなければ、体に無理をかけることになります。歯の形と数に素直に従って、食事をすることが正しいのです。
人間の健康な歯は、全部で32本。そのうち臼歯(奥歯)20本、門歯(前歯)8本、犬歯4本となっています。
臼歯は穀物を臼ですりつぶす役目、門歯は前についていて包丁のように野菜を切る役目、犬歯は硬い小魚や肉などを引き裂く役目をします。
この本数と役割を見ると、5対2対1の割合ですから、役目とあわせて観察すると、
正しい食事割合は、穀類5,野菜類2,小魚や肉類1の割合になります。
ただし、門歯と犬歯はその奥にある臼歯と一組でその機能を果たしているともいえますから、穀類2,野菜類2,小魚や肉類1の範囲までは自然に則している食事ということになります。これに昆布を少々加えて常食とすれば、正しい食事といえるのです。
2対2対1の割合の食事は、からだにとってのご馳走がたっぷりあふれたものといえます。
これではとても精神的に満足できないと思われる方もいるでしょう。健康が第一ですが、精神的な食事満足感も確かに大切です。
その時は、月のリズムに合わせて半月に一回は大判振る舞いの豪華な食事にしてもかまいません。みんなで着飾って、一流のレストランに行き、上等のワインを飲みながら楽しく語らい食事をするのもいいでしょう。あるいは、好きな食品を思いっきり買い込んで、家中でわいわいと楽しく食事をするのもいいでしょう。普段は、からだにいい食事を単純・平凡に食べ、十五日に一回は豪華版にする。いろいろ工夫しながら人生を楽しく演出してください。
●食事と病気
ここ数年で、動脈硬化や糖尿病の研究で明らかになってきていることですが、「糖化」という言葉をご存知でしょうか。
「糖化」とは、私たちの体内にあるタンパク質と、食事によって摂取した「糖」とが結びつくことで、「糖化」したタンパク質が生成され、体内に蓄積し、酸化とともに「老化」の原因になるものです。
医療界では「酸化」とともに、美容と健康に大敵であるという認識です。
私たちの身体は、水分60%、脂肪20%、タンパク質15%、その他5%でできています。タンパク質は、細胞や組織・器官を形作っており、これらの体内のタンパク質が「糖化」されることで、さまざまな病気を引き起こします。
例えば、
・眼のタンパク質が「糖化」されると、角膜が変性し視力低下や白内障などにつながります。
・血管が「糖化」されると動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞など。
・肌では、コラーゲンやチラージンなどが糖化され、肌本来の弾力性・柔らかさを損ない、クスミ・カサカサ・シミ・シワ・タルミの原因になります。
・脳の「糖化」はアルツハイマーなどにも関与するといわれています。
●糖化のプロセス
「糖化」のプロセスを図にしました。
@食事の内容
噛まないと飲み込めない食材を摂る
野菜ジュースや栄養飲料などの液体のもの、パン・メン類などの軟らかい(=噛む回数の少ない)食べ物は控える。パンは主食ではありません。
小麦粉、甘味、果物、乳製品は控える
小麦粉・甘味・果物は二糖類なので急激な血糖の上昇により消化吸収に負担がかかり、低血糖症を呈しやすくなる。乳製品は成分の半分が脂肪分です。カルシウムを摂りたかったら小魚をよく食べましょう。
白米で十分(玄米、雑穀なしでOK)!
玄米食なら一口50回は噛むこと
白米でも十分な栄養があります(白米の栄養表参照)。ミネラル・ビタミンは副菜で補う。
また、玄米は、栄養価が高く、現代の栄養豊富な食生活の中にあっては、栄養を摂り過ぎることになってしまいます。
玄米はマクロビオティックなど徹底した小食と自然食を実践するならよいかもしれませんが、玄米だけもしくは玄米を混ぜた食事ではかえって消化に負担がかかります。普通の食事をするなら白米にしておきましょう。
副菜は野菜中心、肉類は牛肉以外を中心に
牛肉の脂分は消化に負担がかかります。豚肉はカロリーが低く、コレステロールを下げる作用のある脂肪が多いです。それとともに、魚の油もEPA/DHAが多量に含まれ、老化防止やガンなどの予防によいとされています。
白米と味噌汁は基本食
全世界の食事を比べても日本食のバランスの良さはズバ抜けています。海外、特に欧米では、日本食が栄養学的にも文化としても重宝されています。私たち日本人がもっと日本食を大切にすべきですね。
タンパク源では牛肉より日本の発酵食品の方が吸収率に優れています
発酵させることにより微生物の酵素が塩味を軟らかにし、麹菌などの微生物が整腸作用を持ちます。
出来合いのものより、自分で料理したものを食しましょう。
自然の食材で作られ添加物など使っていないものは、4日もしたらカビが生えて腐ってきます。それが本来の姿です。日常にあふれている食品にはいかに多くの添加物が使われているか。子供のためにも料理することを大切にしましょう。
結論 →カタカナ食(=洋食)よりひらがな食(=和食)
食べることは、栄養をつけて病気を予防したり治す手助けをしていると思っている方がほとんどではないでしょうか?
しかし、現代の栄養学では、少食でいることが健康的で長生きできることがわかってきています。
そして、食べることが必ずしも免疫を活発にして病気を治すことにはつながらない事もわかってきています。
それは何故か?
免疫は非自己である異物(病原微生物・化学物質など)を排除しようとする「からだの防御システム」でもあります。
異物には、食べ物も含まれます。
食べ物は自分の身体の一部ではありません。
免疫反応には、炎症による修復過程を伴う治癒システムと、病原微生物などを排除するDETOXシステムも併せ持っています。
人間の身体には、消化吸収に関する代謝システムもあり、食べ物から自分の身体を組織するタンパク質や、組織細胞を維持するエネルギー源を確保するため、免疫を抑制しているのです。
これを、「経口免疫寛容」といいます。
寛容とは、受け入れるという意味ですが、「経口免疫抑制」というほうが的を得ています。
身体における免疫と消化吸収の関係は、シーソーに例えることができます。
また、このIgAは、お母さんの母乳から赤ちゃんに入り、乳幼児の免疫を助けてくれる大切な抗体なのです。 このIgAが少ないと赤ちゃんの免疫が弱く、病気がちになることもあります。 (当然、大人もです) |
現代の日本は、様々な国の食事を楽しむことが出来るようになった反面、自国の食文化を軽視してしまっているようです。
それには、社会情勢や環境や時代の変化も大いに関係しているでしょう。
しかしながら、世界の国々、特に欧米では日本食が栄養学的にも経済的にも優れた食文化を持っていることを認めています。
1977年、アメリカの医療費高騰を抑制するための調査結果が、世界最高の権威と権限を持つアメリカ上院に設置された「国民栄養問題アメリカ上院特別委員会」によって発表されました。
いわゆる「マクガバン・レポート」です。
3000人以上の医療関係者から聴取し、各国の食文化を150年も遡って調査した、5000ページにのぼるこのレポートの結論は、
「諸々の慢性病は、肉食中心の誤った食生活がもたらした『食原病』であり、決して薬では治らない」
更に「われわれはこの事実を率直に認めて、すぐさま食事の内容を改善する必要がある」と、いくつかの項目にわたり、食事改善の指針を明確に、そして具体的に打ち出しています。
そして、「高カロリー・高脂肪の食品、つまり肉・乳製品・卵といった動物性食品を減らし、できるだけ精製しない穀物や野菜・果物を多く摂るように」と勧告しています。
最も理想的な食事と定義したのは、なんと、元禄時代以前の日本の食事、伝統的な日本人の食事であることが明記されています。
以下に、和食の基本を紹介します。
●盛り付け作法
@ご飯は左、味噌汁は右。日本古来より左が上位と扱う文化のため、
主食のご飯を左に置くのが正しい。
A尾頭付きの魚は、頭を左に、腹を手前側に向ける。
カレイに限っては、頭を右に向ける。
B長い食材は、長方形の皿に盛り付ける。
C大根おろしや刻みねぎなど、付け合せは手前側に置く。
D魚の切り身は、皮を上(奥)、身を手前側に置く。
さて、これまでの食事の内容で、自分が食べすぎだなぁ〜と思った方もおられるのではないでしょうか?
当研究所では、食事指導の中で、プチ断食をおすすめしています。
自分の好きなときに、無理なく出来る断食です。
自分の出来るときでいいですから、
@昼ごはんを食べた後、次の日のお昼まで何も食べない飲まない。
水だけは良いです。(身体の新陳代謝には水が必要)
その間、間食しない、ジュースも飲まない、サプリもダメ、お茶もダメ、
水だけならOK(スポーツドリンクなどもダメです)。