【北京=島田学】中国共産党は28日の政治局会議で、前重慶市トップで4月に失脚した薄熙来氏を最も重い党籍剥奪処分にすると決めた。公職からも除名し、身柄を司法機関に送った。中国の国営新華社が同日伝えた。指導部刷新を前に、胡錦濤党総書記(国家主席)が薄氏を支持する党内保守派の影響力の抑えこみを図った格好だ。新たな党総書記に習近平国家副主席を選ぶ党大会を11月8日に開くことも決めた。
党中央規律検査委員会は処分理由として、巨額の収賄容疑のほか、薄氏の妻による英国人殺害事件の隠蔽に絡む職権乱用などを挙げた。薄氏は刑事訴追を受けることになる。関係者によると、来年3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)までに刑事責任を問う裁判が開かれる可能性が高い。
薄氏は今年4月の失脚後も影響力を残し、その処分問題は次期指導部人事の駆け引きと複雑に絡み合う構図となった。党大会日程は当初、8月末にも公表を予定していたが、薄氏処分の意見集約に手間取り、1カ月も遅れる異例の事態となった。
最終的には厳罰回避を求めて胡氏を突き上げた党内保守派を、胡氏が押し切って決着した。人事の細部は党大会直前まで駆け引きが続きそうだが今回、党大会日程と薄氏処分を同じ日に発表したことで、人事を巡る権力闘争が一段落したとの見方も出ている。
中国共産党大会は会期1週間程度で5年に1度開く。今年は最高指導部に当たる党政治局常務委員などを選ぶ。既に次期党総書記に習氏、新首相に李克強副首相が就くことが決まっており、残りの顔ぶれが焦点。現在9人の常務委員を7人に減らす公算が大きい。
党大会で次期党人事を、来年3月の全人代で閣僚など政府人事をそれぞれ刷新し、新指導部が本格的に発足する。胡氏は党大会で総書記職から退く。国家主席職も全人代で退任し、習氏に引き継ぐ見通しだ。
次期指導部の詳細な顔ぶれは明らかではないが、人選は胡氏主導で進んだもよう。胡氏は今後も一定の影響力を維持する見通しだが、人民解放軍の最高決定機関、党中央軍事委員会の主席に留任するかどうかは依然不透明だ。
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