フルアニMAXチャンネルは、アニメの歴史に出てくるような古い作品から比較的新しめの突っ込みどころ満載の正統派作品ばかりを配信しています。運用は2010年11月からなので、そろそろ23か月。
そこで、チャンネルの運用を行っているおがわです。
チャンネル内では、「店長」と呼ばれています。
今回もまた、とりとめもない文章を書きます。
前回の記事では、一風変わったチャンネルを立ち上げたのは、一応、それなりに考えてのことだったことが解ったのですが、予告の部分では、なぜ、その独自文化をとどめることなく、走り続けてしまったのか?
その件に関して、多少書いてみたいと思います。
▼だいたい闇茶が原因
フルアニMAXチャンネルの独自文化を語るのに「闇茶」は、外せません。
「闇茶」…そんな言葉しらないですよね。フルアニ語とでも言いましょうか?
フルアニMAXの生放送を覗いた方は、ご存知かもしれませんが、アニメのチャンネルの生放送なのに、アニメが流れていない時間も案外多いです。実写?実写の映像も流しています。
ってか、何も流れていない時間もあります。
そこで、店長の私と、視聴者のみなさんと、チャットしているわけです。で、何も流れていないので、「暗闇のチャット」って事で、「闇茶」飲茶じゃないけど、ま、ゆっくりして、ぺちゃくちゃおしゃべりしましょうって空間です。
そもそもは、お客さんとやり取りをしてみて、生放送のやり方って、これで良いのかどうかを知りたくて、皆さんが何を思っているのかを、そこで感じたくて、始めたものでした。形としては、ホントに、雑談です。世間話です。
アンケート機能ってのが、あるのですが、生放送の感想を聞くってのは、皆さんが打つ文字を観ていれば、楽しんでいるのかどうかは、何となく判るものなので、いわゆる評価を聞いていません。
例えば、この先、延長しますか?
今から、どの作品を見ようか?
など、生放送の編成を、皆さんに聞くことが多いです。
つまりは、生放送の参加者は、生放送を作っている人の一人なんですね。
そうすると、お客さんは、この後、カブトボーグの最新話を見たいとか、バットさんを見たいとか、要望を出してくれます。
それを受けて、その後、バットさんを楽しんだり。
そんな形で、リンキオーヘンに、編成を組み上げていきます。
実は、生放送の原稿ってのは、3種類作っています。
一つは、生放送中にtwitterでつぶやいて、生放送内で起こっていることを外部へ知らしめ、集客するための原稿。
内容は、生放送番組自体の告知、いわゆる告知したいネタや、再生している作品の告知などで、twitterで流せるよう140文字に押さえた文章。
もう一つは、生放送を観ている視聴者とやり取りするための原稿。生放送の一応の流れに従った、コメントや動画の再生のコマンド。この文章を、生主のコメント枠にコピペしたり打ち込んだりしています。
でも、このtwitter用原稿や、生主用原稿は、一応考えたストーリーもあるものの、そこで、再生可能な動画のタイトルや再生コマンド、twitterでの告知文章など、要素として使えるモノも用意しています。
なので、リンキオーヘンに、気分で、あげだまをかけたり、妖怪人間ベムを流したりできるのでした。
つまりは、視聴者の皆さんは、既に、フルアニMAXの生放送に関与しており、制作の一員なんです。
深い時間になると、いろいろ世間話をして、遅くに帰宅してきたものがいれば、その日にかけたアニメをもう一回眺めてみたり…。
そうこうしているうちに、視聴者の皆さんは、その作品に対しての不満なども声を文字という形にして発言してくれます。
▼闇茶が企画を動かす
要望が出て、それをやってみるなんてことが、生放送の中で行われていたのですが、そこで、気軽に「カブトボーグのDVD-BOX」が欲しいと発言した人が居たのでした。
マジ?
そりゃ無理だよ…。
これが素直な感想。
生放送の中で、あげだまを流すことと比べると、格段の難題。
DVD担当のものと話をしてみると、DVD-BOXでの、面倒なのは、特典。特典にどれだけコストをかけるのか?同様にパッケージデザインでコストが変わるって話でした。
であれば、ここをコストをかけないで、生放送に遊びに来てくれているお客さんにとって大変意味があるものに仕立て上げてしまえば、それは、いわゆる市販のDVD-BOXよりも価値があるものになってしまう。その体験とか経験を売るというスタンスでないと、無理だなと(笑)
おかげさんでカブトボーグは、当時のフルアニMAXの看板作品で、当時の声優さんもこの騒ぎを聞きつけて、たまに、生放送に参戦してくれる方も居てて、みんなでの共通の想いでパッケージができればいいなぁ。と思って。
DVDの単巻を段ボール箱に集めて、既存のセットのおまけと、新規で作ったものと言えば、リュウセイさんのリストバンド。そして、謎生写真。
パッケージは、白段ボールに黒の印刷。
そこには、かつてのDVDのジャケットに使用された絵の塗り絵(購入者が彩色して仕上げるBOX。)闇茶の中で企画されたので、そこで、やり取りされている単語を乗せたり、遊びに来てくれていた声優さんのサインが書いてあったり、おがわ店長のサインがあったり…。
生放送参加者にとっては、ついニヤリなパッケージになってて、企画時に参加していた方にとっては、その企画にかかわった感覚もあり、チャンネルとの間の絆のような商品企画でした。
単巻のDVDを詰めたとはいえ、物理の在庫があるわけではないので、新しくプレスするわけです。という事は、工場のラインを動かすことになるので、まとまったロットが無いと生産できません。一度発売されたものを追加生産する形なので、条件も低く出来てて、100個以上の受注で企画成立の受注生産で、企画しました。
初日、4月1日金曜日、生放送中にも係らず、38件。
翌日、4月2日土曜日に、62件。
この時点で、合計100件!生産条件をクリアしました。
4月19日午前中で締め切ったのですが、合計388件。
受注生産ものなので、生産する前に決済を行ったのですが、その時点でのキャンセルなどで、実際は、338件生産することになりました。
また、受注生産ってことで、シリアル番号を入れることに。しかし、差込印刷は、コストが上がるので、段ボール工場に、おがわ店長が潜入し、シリアル番号をマジックで書くという事をしました。
これも、企画商品にありがちですが、その作業風景をビデオに撮って、ニコで流しています。
こんなことをしながら、発注しているお客様に対し、商品が届くまでをイベントにすることにしました。
商品は、BOXを開けて、中を覗くまでがイベント。
商品画像には写っていないところに、いくつかのイベントを盛り込んでいます。極めつけは、謎生写真。
とにかく、お金をかけない分、工夫で楽しんでもらう、生放送参加者にとっては、ニヤリなネタで。
お金をかけなくても、リスクをかけなくても、DVD-BOX(セットの箱でしか無いかも知れませんが)を生産することが出来る。商品の程度は、視聴者と相談しながら、でも、その場ならではの工夫を加えて…。
これだけ、みんなが盛り上がっているのであれば、この企画にのってくれる人も大勢いるでしょう。100件注文が来なければ、企画が流れるだけ、そんなイベントを組んだという事だけでも面白いのかも?とやってみたところ、実現できました。
コストを抑える工夫と、工場を動かす注文を入れて貰えて、企画は、成り立ちました。
こうやって、視聴者と、メーカーを巻き込む事により、普段だと出来ない事が可能にすることが出来ました。
それも、闇茶があったおかげです。
そこでのコミュニケが、この企画を実現したんだと思います。
▼独自文化が走り出す
確かに、汎用的なパッケージではないので、一般の売り場には、置けない商品です。
従って、生放送に顔を出していないのだが、友人から聞いて、注文した人も居ると思います。
彼らからすると、とんでもないパッケージです。事故のようなものです。
まさに、独自文化。
しかし、視聴者、生放送参加者は、それを求めているんだなと。
チャンネルの空間が作る絆の中で、動くことにより、繋がりを実感するんだなという事を感じました。
良く、フルアニの生放送は、気持ち悪いほどの独自感があり、敷居が高いと言われます。
じゃ、特徴を無くし、平凡にして、すそ野を広げるか?そうやって、生放送の顧客を増やすか?
それも、ちょっとは考えたのですが、止めにしました。
もし、平凡な生放送をしたとしても、気持ち悪いと言われる生放送は、無くてはならない。
そこで、何か、自分をチャンネルと繋がるためのアイテムが無ければならない。それを認識するためのアイテムが。
なので、
俺は、段ボーグBOX(…上記のカブトボーグDVD-BOXの愛称。)を買ったよ。
リストバンドを買ったよ。
フルアニMAXのTシャツを買ったよ。
フルアニMAXのマグカップを買ったよ。
ファンって、それぞれのレベルがあると思います。
上が良いとか悪いとかの話ではないのですが、ここまで踏み込めるとかいうレベル感。
集まるファンを退屈させないためには、一つ上の高見は用意すべきじゃないのかなぁと感じていたわけです。
だから、すべては、在庫を持たないやり方。Tシャツ、マグカップにしても、すべて、受注生産。
上記のように、ファンであるという自分に対する証明書。そんなに大量に売れるモノでもないです。
みんな、気になるけど今は、良いや。
金がちょっとあれば、欲しいけど…。
その、ちょっとで、ポチってない人も多いと思うんですよね。
乗り越えちゃった人は、そのアイテムを写真を撮って、twitterで上げたりしてて、高みに上がったことをアピールします。
ファンが集まる場所には、そういうアイテムがあった方が、ファンの共通言語になり、お互いを認識するためのアイテムになるわけです。
ファンがファン同士刺激し合うことにより、その関係性は、リアルなものに昇華していき、なおさら、独自性が高まってしまい、どんどん敷居の高いチャンネルになっていくわけですね。
それは、ここまでに書いた通り、私は、意図的にやっていた事でした。
でも、少し余裕があれば、私が行う生放送とは別に、ノーマル?な生放送を行い、視聴者を二段階の層にしたら、すそ野を広げることができるなぁとは思っていました…ほんとはね。
でも、結局は、アーカイブは、一つだし。
生放送で、二つのグループを作ってもすぐに、混じっちゃうなぁと…。
って事は、生主を変える(店長生と店員生とか)しかないかなぁとも考えてもいました。
…ほんとはね。
▼次回予告?
独自文化を走り続けることに意味を感じていたことを書きましたが、それにしても、配信業者の担当者の域を超えていたこともしばしばありましたよね?
なんで、店長は、あんな事までやっていたのか?
本当は、単なるご乱心企画だったのではないか?
という謎もあるかと思います。
次回は、その点にちょっと触れてみようかなと思います。
ますます、参考にならない記事になりそうで(笑)
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罰金バッキンガム
おがわ店長(小川和紀)
おがわ店長(小川和紀)
×
>>2
早押しですか?たまにやっていますが、最近は、押してもらっている(意見を聞こうとしている)のが多いですね。
でも、皆さんは、既に右下の選択肢を押してしまう習性がついていますので、意見を聞きたいときには、一番最後の選択肢を「無効票」にしなければ聞くことが出来ないような状態になっています。
閉店生ですが、チャンネル閉店時間が28日20時になりますので、その時間になります。
普段の時間に来たら、店も無い状態になっているかと思います。
その点は、ご注意ください。
これまでありがとうございます。
もう短い時間になりましたが、残り2週間くらいをお楽しみください。
早押しですか?たまにやっていますが、最近は、押してもらっている(意見を聞こうとしている)のが多いですね。
でも、皆さんは、既に右下の選択肢を押してしまう習性がついていますので、意見を聞きたいときには、一番最後の選択肢を「無効票」にしなければ聞くことが出来ないような状態になっています。
閉店生ですが、チャンネル閉店時間が28日20時になりますので、その時間になります。
普段の時間に来たら、店も無い状態になっているかと思います。
その点は、ご注意ください。
これまでありがとうございます。
もう短い時間になりましたが、残り2週間くらいをお楽しみください。
田中ジュリエット
おがわ店長(小川和紀)
×
>>5
ご指摘の通り、単にアニメを流すだけでは、作品にしか価値が出てこないので、目論見のチャンネルの他の作品への横展開が望めないわけです。
そのためには、チャンネルが前面に出て行かざる得ないわけで。
チャンネル特有の空気を作ることが、この生放送への参加理由になるわけですよね。
どうやってみんなの(いい意味で)期待を裏切れるか?
が、私の考えている事でした。
それもこれも、皆さんあっての事ですし、また、リアルタイムでコミュニケーション可能な、この環境があってこそですよね。
大変価値のある環境だと思います。
後、2週間くらい。最後まで一緒に楽しみましょう。
ご指摘の通り、単にアニメを流すだけでは、作品にしか価値が出てこないので、目論見のチャンネルの他の作品への横展開が望めないわけです。
そのためには、チャンネルが前面に出て行かざる得ないわけで。
チャンネル特有の空気を作ることが、この生放送への参加理由になるわけですよね。
どうやってみんなの(いい意味で)期待を裏切れるか?
が、私の考えている事でした。
それもこれも、皆さんあっての事ですし、また、リアルタイムでコミュニケーション可能な、この環境があってこそですよね。
大変価値のある環境だと思います。
後、2週間くらい。最後まで一緒に楽しみましょう。
ヤス
おがわ店長(小川和紀)
×
>>7
コメントありがとうございます。
ヤスさんは、生放送に参加されていなかったとのこと、今回の「記事」の活用は、そんな方に、簡単にフルアニMAXチャンネル運用者の意図や空気が伝わればとおもっての活用です。(と言っても、ご存知のように今月いっぱいですが、)
そういう方にも、都合のいいタイミングの3分で、空気感を感じてもらえる媒体だと思っています。
お客さんといろいろ企画の話をしつつ、盛り上げていっていましたので、こういうことも出来ました。
これは、メーカーの一方的な企画制作だと、まず、社内決済が通りませんよね(笑)
後、2週間、一緒に走り続けましょう。
コメントありがとうございます。
ヤスさんは、生放送に参加されていなかったとのこと、今回の「記事」の活用は、そんな方に、簡単にフルアニMAXチャンネル運用者の意図や空気が伝わればとおもっての活用です。(と言っても、ご存知のように今月いっぱいですが、)
そういう方にも、都合のいいタイミングの3分で、空気感を感じてもらえる媒体だと思っています。
お客さんといろいろ企画の話をしつつ、盛り上げていっていましたので、こういうことも出来ました。
これは、メーカーの一方的な企画制作だと、まず、社内決済が通りませんよね(笑)
後、2週間、一緒に走り続けましょう。