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'12/9/19

原子力規制委きょう発足 ようやく刷新



 東京電力福島第1原発事故を受け、原子力の安全規制を一元化した新組織「原子力規制委員会」が19日、発足する。初代委員長には、田中俊一たなか・しゅんいち・前原子力委員会委員長代理が就任。事故から約1年半がたち、原子力の安全規制の仕組みがようやく刷新される。

 規制委は、従来の規制を基本指針から全面的に見直すほか、原発再稼働の判断基準づくりや原発の40年運転制限への対応など、山積する難題に取り組む。福島第1原発の収束作業や廃炉にも積極的に関与し、住民の放射線被ばくの健康管理についての方針も検討する。

 事故対応の不手際や、電力業界との癒着を批判された経済産業省原子力安全・保安院と原子力安全委員会は廃止され、規制委とその事務局「原子力規制庁」に統合される。地に落ちた規制行政に対する国民の信頼回復という重責も担う。

 新たな規制組織をめぐっては、政府は当初、今年4月の発足を予定していたが、自民、公明両党が国家行政組織法3条に基づく「三条委員会」としての設置を主張、6月に規制委設置法が成立した。9月初旬の発足を目指したが、田中委員長らの人事に関し「原子力ムラ出身」との批判が噴出。通常国会での人事の採決が見送られたため、委員長と委員4人は、例外的に野田佳彦首相が首相権限で任命する異例のスタートとなる。

 田中氏のほか、委員には中村佳代子なかむら・かよこ・日本アイソトープ協会主査、更田豊志ふけた・とよし・前日本原子力研究開発機構副部門長、島崎邦彦しまざき・くにひこ・前地震予知連絡会会長、大島賢三おおしま・けんぞう・元国連大使が就任。原子力規制庁長官には、池田克彦いけだ・かつひこ・前警視総監が就任する。

 また、平時の原子力防災体制で、首相を議長とし、閣僚らで構成する「原子力防災会議」も新設。規制委が決めた防災指針を、国や自治体が実行に移すための調整役となる。




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