ステロイド離脱への道 ステロイドは悪魔のクスリ?
「ステロイドを使っていては絶対にアトピーを治せない!」
「アトピーがこんなに悪化したのはステロイドの悪い毒が蓄積されたから!」
あの頃はそんな風に思っていた・・・・。
■ ステロイドを止めたい!
アトピー性皮膚炎といえばステロイドと言われる程、この両者の関係は切り離せません。
それは喘息やリューマチ、膠原病のようにステロイドが治療の柱になっている病気と比較
しても感情の根は深いようですね。
30歳の時、ステロイドを止めたくて離脱を試み、強烈なリバウンドを体験しました。
「ステロイドを止めない限りアトピーは治せない!」
「アトピーが悪化したのはステロイドの悪い毒が蓄積されたから!」
そんな思いからでした。
ところで、どうしてこんな壮絶なリバウンドを食らってしまったのか?
それは15年以上使用し続けてきたステロイドを一気に切ったからですね。
■ ステロイド拒否症
リバウンドを体験中、私は極端なステロイド拒否症に陥りました。
「ステロイドで廃人になる!」
あの時代、一部の民間療法はかなり過激な表現を使っていました。
過去、ステロイドで廃人になった患者が本当にいたのかどうかは別として、自分が
リバウンドで身も心もズタズタになると、急にこの言葉が真実味を帯びてきたのです。
「ステロイドで死亡!」と言う客観的な表現ではなく、「廃人になる!」という抽象的な
言い回しが返って恐怖心を刺激したのかもしれません。
「取り返しのつかないことをした・・・・」
「あんなクスリさえ使わなければ・・・・」
ステロイドを使い続けた自分を悔い、責め続けました。
寝ても覚めても、考えるのはステロイドのことばかり。
ステロイドが憎い・・・・。
ステロイドを出し続けた皮膚科医が憎い・・・。
ステロイドを忌み嫌い、製薬会社の工場に火を放ちたい衝動に駆られました。
だからどんなにリバウンドが苦しくても、ステロイドは使いませんでした。
「ステロイドは安全なクスリです。」
という医者の説明は、「リスク管理さえおこなえば商品先物取引は安全な金融商品です。」という営業マンの勧誘と同じほど怪しかったのです。
先物取引で無一文になった人間が二度と相場の世界には足を踏み入れないように、
リバウンドで多くのものを失った私には、ステロイドに対する恐怖と屈辱感が染み着いて
いたのです。
■ リスクを取る意味がない
「ステロイドは絶対に使わない!」
結局、私はリバウンドを体験後、一度もステロイドを使うことなくアトピーを治しました。
でも、この様に書くと誤解を招く可能性があるので補足しておきます。
ステロイドを一気に止めてリバウンド。
そしてステロイドを敵視した過去の私のようなやり方って実は最悪です。
アトピーを治す上でもっとも非効率なので決して参考にしないで下さい。
このことは、ステロイドを弁護するために言っているのではないですよ。
ステロイドを一気に中止すれば、リバウンドを食らう可能性は高くなります。
リバウンドを食らえば、今までアトピーが出ていなかったところまで劇的に悪化します。
(リバウンドが出ない人もいますのであしからず・・・)
その結果、皮膚は血と膿が入り乱れて全身ズルズルになり、リンパ節が腫れ、脱水症状
を起こす危険性もありませす。勿論、夜は眠れないないですね。
こうなると、もう精神的に普通でいることはかなり難しくなります。
こんなリスクを自ら背負い込む必要はないのです。
実際、リバウンドを起こせば毎日の生活の質はは確実に犯されますから・・・。
不登校や休学、会社を辞めたり失恋したり、寝たきりになったりすることもあります。
私も、リバウンド中は会社を80日以上も欠勤しています。
くどいようですが、私はステロイドを擁護する立場の人間ではありません。
なので今さら、ステロイドが「悪魔の薬」かどうかなんてもうどうでもいい話なのです。
でも 正直に告白すると、当時、ステロイドに関する私の知識はかなり低かった。
いや、正確にはステロイドのことなど何も知らなかった。
何も知らなかったからこそ、無謀な「脱ステロイド」に踏み切れたのだと思います。
やっぱりどう考えても、ステロイドを一気に中止する離脱方法なんて最低でした・・・・。
私にとって「ステロイドは悪魔の薬ですよ・・・」と言うささやきこそ、本当は悪魔だったの
かもしれません。
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