効果的な入浴法とは 入浴の大切さ
アトピー患者にとって入浴は大切な時間だ。
このひとときは有意義に過ごそう。
■ 入浴を甘くみてはいけない
「ステロイド離脱の成否を分けるのは入浴!」と言ったら、少し大袈裟に聞こえますか?
でも、アトピー治療に入浴って想像しているより大事。
これはアトピーじゃない人の比じゃない。そんな風に思っておいた方がいいです。
そもそも入浴の意味って何ですか?
「そりゃ当然、皮膚を清潔にすることだよ。」 正解!
でも実際にはこの意味、良く分かっていない人って多いです。
例えば掻き壊した皮膚って、傷がお湯がしみて痛いでしょ?
なのでアトピーの症状が悪化するほど、お湯に浸かる瞬間が怖くなる。
すると、さーっとお湯に浸かった程度で直ぐに出て来てしまう。カラスの行水ですね。
夏場だと、もうシャワーだけの人もいます。
そして入浴後、直ぐにステロイドを塗ってしまう。
コレ、ダメですよ。意味が無い。って言うか、ちょっと危険。
■ 脱ステロイドには正しい入浴法を
何で危険なのか?
ステロイドと言うクスリは前に塗った脂分が少しでも皮膚に残っていると効果が出ない。
汚れを完全に取り除いた状態で使ってこそ効くんですね。
ご存知でした?
これ、守らないとステロイドのランクを下げるどころか、塗っても塗っても効かないように
なる可能性がありますよ。で、効果が無いからって逆にランクを上げてしまう・・・・。
これでは、まったく離脱どころの話ではないですよ。
皮膚の乾燥を理由に入浴を禁止する指導者がいますが、これ、どうですかね?
ステロイドの離脱が順調に進み、1日おきでも大丈夫なら入浴しない日があっても構わ
ないと思います。皮膚が汚れていないのに石鹸でゴシゴシする必要はないですから。
でも、毎日ステロイドを塗っているなら、入浴も毎日が基本じゃないですか?
実際、最強のステロイドを塗っても効かなかった患者が、入浴法をきちんとマスターした
だけで簡単にステロイドの強度(ランク)が下がったと言う話もあるくらいですから・・・。
■ 具体的な入浴の仕方
では、具体的な入浴法を紹介します。
まず温度。
春と秋は40度。夏場は38度。そして冬場は42度程度ですね。
これ以上温度を上げると、皮脂を取り過ぎて痒みを誘発する可能性がありますから。
温度は少し暑めに沸かして、後は水で調整する程度で十分。(お金は掛けない)
次に時間。
これは最低10分以上が目安です。
しっかりと肩まで浸かり、とにかくリラックスした状態で体全体をふやけさせます。
半身浴なら20分以上、汗で皮膚を刺激しない範囲で。
次に石鹸とシャンプーです。
コレは無添加・無香料のものが基本。
合成したものは刺激が強くてお勧めできません。
但し高価なものを使う必要はありません。
こんな所にお金を掛けても、完治と言う結果には大差がでませんから・・・。
最後にタオルと洗い方。
ナイロンタオルはダメですよ。(アトピーが治ってからなら大丈夫!)
柔らかい綿のタオルを使う。吸水性の良いものがベター。
タオルに石鹸を泡立てたら、まずは炎症の強い部部からタオルでこするのではなく、
泡だけを手に取ってそのままゆっくり円を描くように洗い流します。
この要領で全身も出来るだけタオルを使わず、ステロイドを塗った部分を中心に丹念に
汚れだけを落としてゆきます。
そして最後に、炎症の少ない部分や足の裏などをタオルで洗います。
タオルを使わなくても、10分程度お湯に浸かっていれば手だけでも比較的簡単に汚れ
は落ちます。
この時に注意するのは、湯船のお湯で体を流さないこと。
湯船のお湯で体を流すのではなく、シャワーのお湯を使うようにするのです。
この流れで入浴すれば必要以上の皮脂を落とさず、皮膚に付着した汚れだけを落とす
ことが可能な筈です。1度お試しあれ。
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