10番、ティーショットを放つ木戸愛。初日光ったプレーとともに、股下84センチの体形も際だつ=横浜CCで
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◇日本女子オープン<第1日>
▽27日、神奈川県・横浜CC(6545ヤード、パー72)▽曇り時々晴れ、気温23・8度、風速5・2メートル▽賞金総額1億4000万円、優勝2800万円▽108選手(うちアマ16人)▽観衆5430人
女子ゴルファー日本一を決める国内最大メジャー戦で、会場に近い横須賀市生まれの木戸愛(22)=ゼンリン=が、2アンダー発進。4アンダー首位のフォン・シャンシャン(中国)を2打差で追う上々のスタートとなった。身長172センチ、股下84センチのモデル体形に、ギャラリーの視線はくぎ付け。勝てば大会史上最長身で最長足(?)のチャンピオンだ。
自宅通勤と全英女子オープンでの経験。2つの要素が、木戸のメジャー初制覇、プロ2勝目への追い風だ。この日は台風18号の影響で、港町・横浜にある開催コースにも最大瞬間風速14・3メートルの激しい風が吹き荒れた。インスタートの木戸は、2ホール目の11番パー3でダブルボギーを先行。苦しい立ち上がりだった。「一番入れてはいけない左奥のバンカーに打ち込んで寄せられず、しかも3パット」。課題の小技でいきなりゲームを台なしにするピンチだった。
「でも、その後は逆にショートゲームでリズムを作ることができた。自信になりました」。16番では第2打をピン上1メートルにつけバーディー。難度1位の17番でも1パットパー。アウトでは3バーディー、ノーボギーとスコアを伸ばした。
「今日は、全英に近いコンディション。気持ちをコントロールできたのは、2週間前の経験が生きたと思う」。予選落ちはしたが、初めて挑戦した全英リコー女子オープンでは、厳しい風雨と寒さの中で極限のプレーを経験。手ぶらで日本に戻ったわけではなかった。
横須賀市内の自宅から、元プロレスラーの父・修さんの運転で試合会場に通う。
「父は今朝、私が緊張してるのを見て『冷静に穏やかにやってこい』って言ってくれました。母のご飯が食べられるのもうれしい」。朝食は母が握ってくれたおかかおにぎりだった。
前夜は悩みだったパッティングを修正するため、初V大会の録画と、リズムとストロークに一目ぼれしたという韓国の金孝周(今季サントリーレディスで優勝)の映像を研究した。これも自宅通勤ならではのことだ。
世界ランクトップ10の7人が出場する今大会。簡単には勝たせてはもらえない。しかし、地元の浜風は木戸に味方してくれるかもしれない。 (月橋文美)
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