岡田監督　寝耳に水の強制休養　今季最後までが一転…

　３年ぶりのリーグ最下位が確定しているオリックスは２５日、来季を見据えるとして今季限りでの退任の方針を一転し、岡田彰布監督（５４）の解任を発表した。今季の残り試合は森脇浩司チーフ野手兼内野守備・走塁コーチ（５２）が監督代行を務める。村山良雄球団本部長がこの日、ソフトバンク戦前に京セラドーム大阪で退任の意思を固めていた高代延博ヘッドコーチ（５８）とともに解任を通告した。オリックスは２４日に前身の阪急時代の１９５９年以来となる１１連敗を喫し、最下位が決定。岡田監督には最後まで指揮を執らせると発表していたが、解任理由を「来季を見据えたスタートをいち早く切りたいということ」としている。

　想定外どころじゃない。夢にも思わなかった事態に、あらがう気力すら失ってしまった。

　この日は千葉でのロッテ戦を終え、東京から大阪へ移動、ソフトバンク戦で球団ワーストタイの１１連敗で止めるべく、一度西宮市内の自宅へ戻り京セラドーム大阪に入った。服装はポロシャツというラフなもの。高代ヘッドもユニホームに着替え、先発オーダーをつくり終えていた。

　そこへ突然の解任通告だ。村山球団本部長から、報道陣に配られるリリースの紙を見せられた。そこには「来シーズンを見据えたスタートをいち早く切りたい」という文言とともに、森脇チーフ野手兼内野守備走塁コーチが残り試合の指揮を執ることが記されていた。わずか２分間での休養指示。チーム再建に尽力した指揮官は、いきなりユニホームを脱ぐことになった。

　９試合を残してのタイミング。これは岡田監督の理解を超えてしまっていた。「オレも準備してなかったからなあ。こんな格好で来んよ。ネクタイしてくるよ。紙を見せられてなあ。３日前やろ。最後までやってくれ言われたのは」。２２日に村山良雄球団本部長から来季の契約を更新しないことを正式に通達されたが、その際にはシーズンを全うすることで合意していた。

　負けっ放しで終わるわけにはいかない。本拠地であらためて気を入れ直した直後に、村山本部長から、あまりに突然で説明らしい説明もない一方的な通告にも「契約やから」と割り切るしかなかった。

　記者会見の設定もないまま、地下駐車場での囲み取材でオリックスでの３年間の監督生活に終止符が打たれた。試合前には早々と球場を後に。最下位という厳しい現実はあるものの、寂しすぎる最後だった。　（中山隆志）