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【プロ野球】

城島が現役引退 日本人初メジャー捕手

2012年9月28日 紙面から

 阪神の城島健司捕手(36)が、今季限りで現役を引退することが27日、分かった。きょう28日にも球団から発表される。2009年オフにマリナーズから阪神へ移籍し、1年目は不動の正捕手としてチームの2位躍進に大きく貢献。だがここ2年は左膝、腰に計3度、メスを入れるなど満身創痍(そうい)の状態だった。

 日本人捕手で初めて海を渡った城島がユニホームを脱ぐ。来季まで契約を1年残しながら、今季限りでの引退を決断。きょう28日に本人が会見する予定で、球界に名をはせた名捕手が現役生活に別れを告げる。

 決断に至った理由は度重なる故障だった。一昨年のシーズン終盤、走者として三塁へ滑り込んだ際に左膝半月板を損傷。捕手として致命的な故障を負い、オフには半月板の縫合手術を受けた。昨年は驚異的な回復力と懸命なリハビリで開幕に間に合わせたが、6月に右肘を故障。その際、手術した左膝は満足に曲げられない状態まで悪化し、シーズン中に2度目の手術を受けた。

 左膝、右肘ともにマスクをかぶるレベルまでは戻らず、今季は捕手での復帰を断念。一塁手として活路を求めたが、椎間板ヘルニアに起因する座骨神経痛に襲われた。バットを満足に振れる状態ではなく24試合の出場にとどまり、5月に手術。高い打撃技術を支える肉体は、もう限界に達していた。

 城島は「腰を手術することになった5月に決断していた」と明かした。それでもチームが苦しいときに力を発揮しようと、懸命のリハビリを続けてきた。8月に左膝を再度故障しても、決して心を折ることはなかった。25日からの雁の巣遠征2試合で5打数4安打1打点と復活を印象づけたが、1軍はCS進出の可能性が消滅。そこで現役引退の決意を固めた。

 球団からは29日・広島戦(甲子園)での引退試合を打診されたが「相手がCSをかけて戦っている中で失礼になる」と固持する考え。日米通算1837安打は懸命なプレーの中で積み重ねてきた。「プロとしての自負がある」からこそ、真剣勝負以外でグラウンドに立つことを望まない。

 「このチームが好き。阪神に愛着があるからこそ」と城島は引退の真意を口にした。力になることができなければ、潔く身を退く。2009年の第2回WBCで正捕手として侍ジャパンを連覇へ導き、メジャーで確かな足跡を残した背番号2。数々の偉業と実績を積み重ねてきた希代の捕手が、18年間の現役生活に幕を降ろす。

 

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