バジル (ホーリーバジル)(学名Ocimum sanctum)
植物の使用部位:ハーブ全体
従来の用途
一般にこの植物は、熱を下げ、かぜや流行性感冒、肺疾患を緩和するための発汗薬および解熱薬として利用されています。インドでは、瞑想の補助として、またプラーナを高め、酸素を吸収し、神経系を強化するためにも利用されています。
ハーバリストは、ハーブはお茶として摂取するか、乾燥させたものを朝晩摂取し、かぜ、流行性感冒、発熱の予防に利用することを提案しています。 このハーブは若い人も高齢者も含め、家族全員に対して安全かつ効果的であると考えられています。その去痰薬としての作用(痰の体内からの除去を助ける能力)は、気管支炎および副鼻腔感染症などの呼吸器性疾患に役立ちます。
薬理学
このハーブが免疫賦活作用と強壮効果(ストレスに適応する身体の能力の上昇)をもつことを実証したことが、多くの研究室で科学的な証拠により示されています。これにより明らかになったことは次の通りです。
・ 免疫応答の改善
・身体の耐久力の向上
・胃酸と潰瘍とストレス誘発性の潰瘍の予防
・肝障害からの保護
・酸素が低下した環境下での生命力の改善
・特定の癌および腫瘍増殖の予防
・フリーラジカル捕捉能の向上および放射能からの保護
1988年に民族薬理学誌(Journal of Ethnopharmacology)で発表された科学的な実験では、シロネズミを用いて感染症への耐性機序に対するバジルの免疫刺激の効果を実証したことが明らかにされました。
続いて、この免疫刺激作用が強壮効果に寄与する機序であるという学説が立てられました。この研究は、アジア全体で感染症の猛攻撃を予防するために使われてきた従来の方法を支持し、エキナシアと同様に 西洋諸国で利用されていました。
しかしバジルは、かぜや呼吸器感染症に伴う高熱、発熱、不快感の症状に対してより特異的であると考えられています。さらに最近の科学的な実験は、生きた細胞を損傷から保護するバジルの能力に注目しています。ここには研究室で誘発した癌や腫瘍と同様に、放射線に曝露させるという実験がいくつか含まれていました。
すべての実験において、強力なフリーラジカルの捕捉作用を実証することが示され、葉全体のエキスに強力な抗酸化予防因子があることが示唆されています。
免疫システム
免疫システムによる保護作用がなかったら、細菌、ウイルス、毒性化学物質などの環境からの絶え間ない攻撃から確実に生き抜くことはできません。 免疫の複雑な機能には、体内に入る潜在的に危険なすべての物質を中和し除去する作用が含まれています。
わたしたちの慌しく消耗していく生命は、わたしたちに過度の要求を課し、不健康なレベルのストレスをもたらし、免疫システムを弱めます。 したがって、今日多くの人を悩ませているような頻発する感染症や健康不良の問題が考慮の対象となります。ハーブは身体を強化し病気を予防するための「強壮薬」として、数世紀にわたり利用されてきました。 今や科学分野では、これらの独特のハーブの多くが実は追加免疫し、ストレスの処理能力を高めていると理解されています。免疫システムを強化する点で、ハーブ医療が今日ほど必要とされる場面はおそらく他にないでしょう。
全人的な健康を実践する専門家は、通常のかぜや流行性感冒の場合、直ちに抗生物質を投与するのではなく、まずハーブ、栄養サプリメント、食事を通して全身の免疫を改善するのが一番良いと助言しています。
バジル プラスの配合ハーブの作用は次の通りです。
→感染症に対する耐性の向上
→発熱と身体の痛みを緩和
→ストレスの自然な処理能力の向上に
バジル プラスの適応
・再発性の感染症、特に下気道系のもの
・咽喉感染症(ヘンペドブミ プラスを併用)
・ストレスがある時期
・咳
・慢性 疲労
・せつ
・癌の治療の補助剤として
その他推奨される療法
咳または流行性感冒の初期のうちに良好な結果を得るには、お湯を入れたコップにカプセル剤2個の中身を空け、熱いうちに飲みます。これを4時間ごとに繰り返します。(散剤の用量に合わせてあります)
・乳製品、甘味食物、冷たい飲食物を避けること。十分に休息をとること。食物アレルギーを確認すること。
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