契約をあと1年残しながら引退を決断した城島【拡大】
不本意なまま城島がタイガースを去る。城島が今季限りでの引退を伝えていたことが分かった。複数の球団関係者が認めた。来季が4年契約の4年目となり、1年契約期間を残していたが、この日までに引退を申し入れていた。
城島は出場機会を求め、米大リーグ、マリナーズを09年に退団。真弓監督にくどかれ、10年から年俸4億円の4年契約を結び、阪神でプレーしていた。強肩強打を武器に1年目は打率・303、91打点、28本塁打の成績をマーク。前年4位から優勝した中日と1勝差の2位とチームを押し上げた。
だが、シーズン途中に左ひざを痛めた。シーズン終了後には、半月板の手術を受けた。全治は6カ月で翌11年のシーズンは開幕絶望と見られたが、懸命なリハビリで間に合わせた。
このシーズンからけがとの戦いになる。けがの影響が大きく、思い切ったプレーができなくなった。右ひじ痛も発生し、送球も難しくなった。同6月には2軍に落ち、同8月には左ひざのクリーニング手術を受けた。このシーズンは1軍に復帰することなく、38試合に出場、打率・189、13打点、5本塁打に終わった。
左ひざに2度メスを入れた城島は右ひじ痛も重なり、昨秋捕手としてのプレーを断念。球団も容認し、今春のキャンプから一塁手に専念していた。開幕ベンチ入りを果たしたが、5月に座骨神経痛を発症。2軍落ちし、腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けていた。
城島は今月16日、鳴尾浜でサンケイスポーツの「また来季もレギュラーを奪ってという気持ちか」という質問に対して「そんな話は今する話ではない。今、自分は復活を目指してやっている立場なわけだから。また、その時がきたらしっかり、話します」と答えていた。
球団は4年契約の最終年も契約する方針だったが、城島の意向を尊重する構え。28日にも球団から正式に発表される。
ダイエー、ソフトバンク、マリナーズ、阪神とプレーした大型捕手が、無念の思いとともにユニホームを脱ぐ。
(紙面から)