原発ゼロの衝撃:岐路に立つ青森/4 なくなった選択肢 聴取会、核燃料サイクル議論されず /青森
毎日新聞 2012年09月22日 地方版
継続か、転換か。ついに歩み寄ることのないまま、大綱会議は5月29日を最後に中断した。技術小委の「秘密会議」問題が発覚し、原子力委自体の信頼が失墜したためだ。
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だが国民の声は、関係者の予想を上回る規模で「原発ゼロ」を求めていた。
「原発ゼロ以外に、原発事故のリスクを取り除く道はない」(広島市の参加者)。政府が7月に始めた意見聴取会では68%が「原発ゼロ」を支持し、パブリックコメントでは89・6%。落としどころだった「原発15%」はわずか1割。世論に押される形で、野田佳彦首相は8月6日、「原発ゼロ」の検討を関係閣僚に指示した。
意見聴取会が開かれたのは、原発事故で被災した福島市を除き、全国11ブロックの中心都市で、原発立地自治体では開かれなかった。原発比率とともに焦点だった核燃料サイクルについては、議題にすら上っていない。
これに対し、六ケ所村は9月7日、「立地地域の声を無視している」として、使用済み核燃料だけでなく、高レベル放射性廃棄物などすべての「核のごみ」を拒否する意見書を可決。政府に「最後通牒(つうちょう)」を突きつけた。