原発ゼロの衝撃:岐路に立つ青森/4 なくなった選択肢 聴取会、核燃料サイクル議論されず /青森
毎日新聞 2012年09月22日 地方版
◇世論に押され雲散霧消
「(再処理と直接処分の)併用が、政策の柔軟性から最も優れている」
全量再処理▽全量直接処分▽併用−−という核燃料サイクル政策の三つの選択肢を議論してきた原子力委員会の核燃料サイクル技術等検討小委員会(技術小委)。15回目となる5月16日の最終会合で「併用」に軍配を上げた。
技術小委の試算で「コストが最も安い」としたのは、全量直接処分だった。この案なら原発は2020年にゼロになる。だが経済的に有利であるにもかかわらず「優位」とされなかったのは、リスクが強調されたためだ。「再処理をやめれば青森県が使用済み核燃料を返送して行き場を失う」「原発が運転できなくなり、代替電源のコストがかかる」などで、伴英幸委員からは「不利な記述が多すぎる」とクレームがついたほどだ。
併用なら、再処理を継続しながら、コストで有利な直接処分を進められる。また、青森県の顔を立てつつ、原発は15%維持できることにもなる。推進派、反対派の委員双方がこの案に乗った。