私は、以前から「日本には強制注入すべき安全管理のソフトウエアがある」と主張してきた。
東日本大震災、原発事故から一年半、思った通り官主導の安全管理組織が立ちあがった。私は、これらには一切興味を持たない。関わりも持ちたくない。
日本には、民間の財団が多数ある。豊富な資金もある。これらを活用し、安全管理に特化した新たな組織がつくれないか、時間をかけて検討したい。
核となるのは、やはりディズニー出身者である。私は、私より優秀なディズニーランドの社員や元社員を多数知っている。彼らは、そろそろ定年(オリエンタルランドの定年は知らない、一般的に60歳と考える)を迎え、ネクストステージの自分を考えている頃である。
日本の「安全性」を格段に高める能力を有しているので、理念とビジョンを明確に示せば、幕末の志士たちのような活躍をするに違いない。
東京ディズニーランドが開園して来年で30周年である。正確な数字は分からないが、会食した上澤昇オリエンタルランド元副社長は、数年前元キャスト、つまりディズニーの教育を受けた者は、30万人を超えていると話されていた。
話を一時転じる。東日本大震災後、私はこの国には縦割りの組織しかないことを嘆いたが、それにより、あることに気付くことができた。
それは、日本には「横糸」のような組織があるじゃないかと。
例えば、ロータリークラブやライオンズクラブ。地域の消防団、4Hクラブなどのボランティアに近い組織。
JA(農業協同組合)や生活協同組合などの組合組織。
被災後の救援活動(物資の輸送や炊き込みなど)を行政の依頼により執り行うのである。
イメージ的には、地域の首長を頭とした文鎮型の組織である。もちろん、ロータリークラブなど個々の組織の独立性は完全に保たれ、組織運営は今と何も変わらない。干渉されることはない。
例えば、ロータリアン宅に貯蔵された非常食を、ロータリアンが被災地に届けるという仕組みを構築しておけば、地域の「安心感」は格段に高まるものと考える。
もう一度言う。日本には自衛消防団など誇るべき組織が確実に機能しているのである。
さて、こちらはアマチュアサイドである。プロサイドの安全管理に話を戻す。
ディズニー出身者が核となると記した。日本には世界に誇る企業力を持つ会社が少なくない。
(株)京三製作所
http://www.kyosan.co.jp/
東海道新幹線の運行システムを担ってきた。東京ディズニーランドでも活躍していただいた。
(株)ダイセル
http://www.daicel.com/
物作りと関連するシステム作りのプロ中のプロである。
ウエザーニュース
http://weathernews.com/#/contents/dream/
この企業があれば、日本に気象庁などいらない。
まだまだ卓越した技術力を持つ企業はあるだろう。
こういった会社からの出向者も含め、「日本を安全にしてみせる」という志士たちを一カ所に集め、役人には絶対できないことへの挑戦というモチベーションを与え、切磋琢磨しあえば、冒頭に記した民間の安全管理組織は確実にできるものと確信する。もちろん、霞が関の役人は、全く知らない「強制注入すべき安全管理のソフトウエア」も提供する。
この組織が動き出せば、例えばシンドラーエレベーター事故の原因など、数時間で「発表」できるであろう。なぜならば、「質問力」が違い、警察などにだまされることがないからである。
原子力発電所問題でも、既存のマスメディアとは数段レベルが違う「レポート」を生み出すことができる。
三井アウトレットパーク入間で昨年行われた「殺人訓練」のような低レベルの訓練(カネと時間の浪費でしかない、実効性の伴わない訓練)も無くなるに違いない。
この組織は、先に記した日本の「横糸」的組織のファシリテーター(議論や活動を目的に沿った一定のゴールに向かわせるよう手助けをする人)な役目を担うことになるだろう。活動の成果物に満足感を得られるようになるに違いない。そうなったらしめたもの、日本は、もう一度良い意味で「一つになる」のである。
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