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RGI-ASIA設立の経緯

RGI-Asiaは、私の妻が不妊治療に苦しみ続けた末に、その苦しみに耐え切れず≪世界一の不妊治療技術を探して欲しい。≫という懇願から始まりました。

私は、試験管ベビーの発明者であるロバート・エドワーズ博士に連絡をして、

 

「世界一の不妊治療技術を保有する者は誰でしょうか?」

 

と尋ねたすえに、RGIの創立者であるユリ・バーリンスキーを紹介され会いに行った事をきっかけにRGI-Asiaの設立が決定しました。 ユリもロバートも、どちらも、紛れも無き天才であり、彼らを一言で表すなら、「 genius!」という言葉しか見つかりません。 彼らの不妊に苦しむ人々を救済したいという熱意は並大抵のものではなく、私達は、卵子・受精卵の話しから始まり、ES細胞の話まで、果て度無く広がる会話のボリュームに、寝る時間も忘れるほど話し込んだものでした。 ユリとロバートの会話の中で忘れがたい会話があります。 私は、RGI-Asiaのセンターを現在の六本木ヒルズの近くに準備しました。 ビルは2フロアーを準備し内装もローマのエクセルシアホテルの内装を模してゴールドとイエローの豪華でアートなベルサイユ調のデザインで仕上げました。 しかし、内装を内覧に来た、彼ら2人は、同時に、こういったのです。

「ジェームス。ここは、無理だ。ここでは、不妊治療はできない。」

私は、当時、相当ショックを受けました。

「冗談だろう!」

本当に、そう思いました。 しかし、冗談ではありませんでした。ユリは言ったのです。

「このビルの下には、地下鉄が走っている。このような状況の場所を受精卵は、好まない。ジェームス。受精卵は生命なんだよ。生きているんだよ。それも、とても繊細で怖がりなんだ。だから、私の研究所ではモーツアルトの音楽を聞かせているほどだよ。それが、こんな近くに地下鉄が走っているようなところは、振動が繊細な受精卵を破壊してしまうんだ。」 私は、非常に大きなショックを受けました。 勿論、だめといわれてしまった、不妊センターに掛かった数千万円という経費のこともありましたが、一番、ショックだったのは、この両天才が、これほどまでに繊細に受精卵を愛し、労わっていると言う気持ちに、大きなショックを受けたのです。

私は、その後、二人を私の車に乗せてデイナーに向かう途中で話しをしながら、聞きました。

「今までに、一番、幸せだったことは?」

「私にはね、大勢の子供達がいる。数千人くらいかな?私が、いなければ生まれることの無かったはずの子供達の笑顔がある。それが、生きてきたうえで一番の幸せであり誇りだよ。」

ユリのこの言葉に、ロバートも頷いていました。

素晴らしき天才2名。

私は、仕事柄、多くの偉大な研究者達と接してきました。

しかし、彼らほど子供達の事を真剣に考えた研究者はいませんでした。

私は、私の人生の中で、彼らと知り合えた事を誇りに思っています。

残念ながらユリは、数年前に故人となりましたが、私には、今でも彼の、その車の中での笑顔が忘れられません。 私は、この10年ほどの間に、多くの受精卵研究家やエンブリオロジストに会いました。しかし、その中でも、ユリが残した功績は際立っています。 ユリは、天才の頭脳にて、すでに21世紀の医療を読みとり、彼の手に掛かると、どんなに不妊治療に悩む患者の手にも子供達を届けてきました。 遺伝病研究・受精卵から遺伝病を削除する技術。受精卵診断・着床前診断・ES細胞研究・ES細胞スクリーニングでは、間違いなく世界一であると今でも考えています。

毎年、幹細胞学会などがありますが、いまだ、ユリを超える技術開発者はいません。 ロバート・エドワーズとともに、RBM Onlineを創設し、影に日向に惜しみなくロバートをフォローしてきた彼の功績は大きいと思います。 そのようにして、彼は、長い間、世界の幹細胞研究の成長に尽力してきました。  

ロバートも20世紀の偉業を成し遂げた巨人です。 若いときの研究心旺盛な眼差しを持つ天才から、今では、優しい笑顔の紳士に変貌を遂げましたが、彼の経験した壮絶な迫害は、言葉に表現不可能であるという事です。 時に、ヒポクラテスの昔から、患者を救済するという行為や願いは、なぜか、迫害を受けるときがありました。 新技術は、医療を知らないものにとっては未知の領域であり、恐怖感を感じることがあるのも頷けます。 しかし、それでも、その恐怖に打ち勝って、その危険性のある領域に踏み込んでいけるのは、患者を救済したいという真摯で無垢な魂だけが持つ、≪私は、必ず、患者を救済するだろう。≫と信じて疑わない気持ちと、その新領域に入ることを神に許された天才という名前のものだけなのかもしれません。 ロバートもユリも、神に愛された人間であることは疑う余地もありません。 RGI-Asiaは、彼らの意思を継ぎ、今後も、難治性不妊や遺伝病に悩まれる方々を救済していきたいと考えています。 ユリやロバートやRGIが、一人でも多くの患者や子供達を救済することだけが、わたくしどもの願いです。今も、どこかで誰かが不妊や病に苦しんでいることでしょう。 しかし、忘れないでいただきたいと思います。同時に、今も、どこかで、病に苦しむ患者や不妊の克服の為に寝ないで努力している大勢の将来のユリやロバート達がいるのだという事を。。。。。。 どうぞ、もし、難治性不妊に悩まれる方は、どの病院でも≪妊娠は不可能である。≫といわれた方は、どうぞ、一度、私どもに連絡してください。同様に、遺伝病に苦しまれる方も、相談先が無くなって途方にくれたときは、一度、メールをください。 一人で悩まれるよりも、きっと、よい案が見つかるかもしれません。 人間は本来一人ではなく、誰もが助け合って生きています。 それは、故人であるユリの人生の指針であったと聞いています。現在、故人であるユリの遺志を継ぎ、一人でも多くの方々を救済したいと心から願っております。

 

 

                                          RGI_ASIA CEO James Ryan