'12/9/26
高潮堤防完了へ 広島市中区
国土交通省太田川河川事務所(広島市中区)が1991年の台風19号水害を教訓に、広島市の市街地を高潮や増水から守るため天満川、本川、元安川で進めてきた堤防(計約11キロ)の整備が本年度中に完了する見通しになった。着手から23年。当時と同規模の増水時も浸水被害を防げるという。巨大地震に伴う津波やゲリラ豪雨も懸念される中、早期避難の徹底などソフト対策も求められる。
高潮堤防の建設やかさ上げを進めてきたのは、国道2号付近から南側の約11キロ。
3河川の水位が海抜2・91メートルに達した91年の台風19号では、川の水が堤防を越え市街地に流れ込んだ。堤防がなかったり、整備済みの堤防の高さが最高2・2メートルだったりしたためだ。424ヘクタールが水に漬かり、575世帯が床上浸水、1954世帯が床下浸水した。
25日時点で工事が済んでいないのは、西区東観音町の天満川の約170メートル。本年度中に3・4メートルへのかさ上げが完了する。本年度末で約11キロの堤防の高さは96%が4・4メートル、4%が3・4メートルになる見通しで、台風19号並みの増水では被害を防ぐことができるという。
このほか、本川の河口一帯では91年以前に3・4メートルか4・4メートルの堤防が整備済み。同省広島港湾・空港整備事務所(南区)も天満、元安両川の河口で護岸を改修中で、2014年度の完成を見込む。
【写真説明】整備が進む天満川の高潮堤防。本年度中に完成する(広島市西区東観音町)