2012.04.24.Tue. 12:17:48

FA (original version)

97年に音楽を担当をしたゲーム『フロントミッションオルタナティヴ』から15年が経った。だからというわけではないが、今回思い立って設定場面にあてた4種類の曲のオリジナルヴァージョンをYouTubeにupしてみた。何故この4曲だったのかというと、これらはゲーム用に書き下ろした曲ではなく、ゲームに関わる前に作ってあったオリジナル作品であり、今回そのお蔵出しである(新たに手は加えていない)。制作時期は93〜96年のもの。
結果的にゲームには40曲必要だったので、全て書き下ろしでもなく、既にあったストックの中から使えそうなものをゲーム用にアレンジしたものが何曲かあり、一番最初に用意したのはオープニングテーマ(実はこれもストックの中に原型の曲があった)、次に必要とされたのが4つの設定場面の音楽であり、初期の作業はストックの中から使えそうなものを選んでいったと記憶している。しかし全てにおいてシーンにはまるように曲を再構成し、トラックや音の制限などもあったのでリアレンジを行い、ゲーム用のプログラムに書き換える作業をしたので、単にストックを流用したのと違うことは、今回upしたものとゲーム内のものとを聴き比べてもらえればわかってもらえると思う。
40曲の内訳としてはオープニング/エンディング、設定場面4種、そしてメインであるバトルフィールドが多数。1つのバトルフィールドが2〜3シーンで構成されてるものもあるので、1つの曲のヴァージョン違いという関連性を持たせて一括りとした。
サントラ盤(CD)の作業としては、まず全曲を収録するには1枚のCDに収まらないことは明白だったが、2〜3枚組のものは出せないとのことだった。であるなら、このゲームの場合、曲で使う音色をかなり圧縮して組み込んでいたため、内蔵音源のまま収録することはやめて、サントラには圧縮前の音を使い(要は作曲した時のオリジナルの状態)、バトルフィールド内の2〜3ヴァージョンを1つの曲として聴けるように繋げるリアレンジをし、リミックスというほど変えてもいないので、オフィシャルリアレンジヴァージョンとして制作。問題の選曲に関して、そもそも全曲収録は不可能であるから、ゲームを知らない人でも1つのテクノアルバムとして聴けるようにバトルフィールドの曲を中心に選曲(ただでさえバトルフィールドの曲は多く、網羅出来ないので優先し、設定場面の曲は思い切って排除)し、オープニング〜バトルフィールド〜エンディングというシンプルな構成にした。結局、内蔵音源完全版が別でリリースされていれば何も問題なく、勿論こちらも希望したが却下されたので、このようなサントラしか存在しないために、全曲収録じゃない点(あれが入ってない、これが入ってない等)、設定の音楽が入ってない点、ゲーム内の音と違う点等々いまだに文句を言われ続けることになる。曰く付きと言われたサントラは発売数年後に廃盤になったが、ヤフオク等で高騰したこともあり9年後に再発された。この再発の知らせを受けた時に散々文句を言われた設定の音楽を新たにボーナストラックとして追加することを提案したが、全く同じものを出す(要は再発というより再プレス。但しケースは安い透明プラに変更)と却下された。インナーもそのままのため、自分のHPやメルアドもドメインを取る前の古いままである(Not Found)。
ちなみにサントラ収録の'Bonus'という曲はCDのボーナストラックという意味ではなく、当初ボーナスステージが予定されていたので、それ用に作ったものである。当時ゲームとサントラを同時に発売するために発売日に間に合うようサントラのマスタリングを済ませたのだが、その後ゲームの発売日が延期され、その間にボーナスステージはなくなった。しかしCDのマスタリングをやり直すことはなく、そのままリリースされ、本当にCDのボーナストラックになってしまったという経緯である。
兎に角、このサントラに決着をつけるには内蔵音源完全盤をリリースするしかないであろう。今だったら当時のプログラムデータを変換してDAWにインポートし、各トラックの音を補正し、マスタリングすることが可能であると思うのだが... 。