こういう過剰規制は止めた方がいい

早川 忠孝 | 元衆議院議員、弁護士、国士舘大学大学院非常勤講師

民間事業者に対する経済活動に対する警察規制は些か異常である。

こんなところにまで警察が口を出すのか、と驚くようなことがあった。

今朝の朝日が、「下取り作戦つまずく、iPhone販売競争」という囲み記事で紹介していたことであるが、iPhone5の発売にあわせて始めた旧機種の下取りサービスが古物営業法違反(無許可営業)にあたると警視庁に指導された、とある。

記者は、ライバルとの販売合戦での拙速な対応があらわになった、とソフトバンクモバイル側を批判しているが、商品の下取りに古物営業法の規制の網をかけるのにどんな意味があるのだろうか。

余計な規制のように思われてならない。

こんなところまで警察が口を出すような仕組みを作っているのだから、日本は過剰規制の国だと批判され、海外から規制撤廃の要求を受けるようになるのである。

警察は法の建前通りやっている、と弁解するだろうが、商品の下取りを認めたからといって社会秩序が乱れるとは考えにくい。

しかも法律に違反するのであれば違法として摘発するのが筋だろうが、「指導された」とある。

こういうことを認めると、経済活動に警察がどんどん介入することになり、警察の現場の恣意的判断でどのように処分しても許されるということになって警察OBの天下り先を増やすだけになる。

曖昧な規制を導入すると警察の権限が拡大し、他方で自由な経済活動が委縮することにもなりかねないから、こういうことは黙って見過ごさない方がいい。

万一、古物営業法に問題があるのなら、国会が不必要な規制を取り除くための是正措置を発動すべきである。

法は、国民の便宜な方に変えればいい。

民主党は、本来ならこういうことには敏感なはずなんだが、随分鈍いものだ。

早川 忠孝の最近の記事

  1. こういう過剰規制は止めた方がいい

PR

お知らせ

主なトピックス

オーサー一覧