和歌山・御坊市女性殺害事件 顔見知りによる犯行の疑い
自らが経営する旅館で、71歳の女性が死亡しているのが見つかった。
近所の人からも慕われていた71歳の旅館のおかみ。
死亡した吉井幸子さんを知る人は「愛想のいい人でしたよ。いい奥さんでしたよ」と話した。
和歌山・御坊市で25日午後7時ごろ、旅館経営者・吉井幸子さん(71)が、胸と腹を刺され死亡しているのが発見された。
吉井さんが経営していた旅館は、JR御坊駅から数十メートルほどの距離にあった。
吉井さんを知る近所の人は、「こんなところで、こんな事件があるとは。(吉井さんは)悪い人と違う。人に恨まれる人と違う」、「(吉井さんは)ちょっとぽてっとした、かわいい感じのベッピンさんです」などと話した。
旅館には、4人の客が宿泊していたが、当時は全員外出していた。
そして、25日午後5時半すぎ、宿泊予約をしていた1人の客が旅館を訪れたところ、不可解な点があったという。
宿泊客が訪れる時間帯であるはずの夕方にもかかわらず、正面の入り口には鍵がかかっていた。
その後、通報を受けた警察官が、鍵がかかっていなかった裏口から入ったところ、階段の踊り場で胸と腹を3カ所刺されて亡くなっている吉井さんを発見した。
2階の廊下には、凶器とみられる包丁があった。
これは、もともと旅館にあったものとみられるという。
殺害された吉井さんは、女手1つで旅館を切り盛りしていた。
吉井さんを知る近所の人は、「旦那は若くして亡くなった」、「1人で旅館を(経営)していた。朝、買い物に行かれる、自転車で。その時に顔を合わせたら、あいさつをする」、「息子さんは、近くに住んでいると思う」などと話した。
25日昼ごろには、近所に住む息子と旅館内で一緒に昼食をとったことが確認されているが、息子が勤務先へと向かったあとの吉井さんの行動はわかっていない。
室内に荒らされた形跡はなく、吉井さんの遺体に防御創もないことから、顔見知りによる犯行の疑いもあるとみて、警察は捜査している。
今後、司法解剖の結果を待って、捜査本部を設置する方針。