何か腑に落ちないと思ってたことがある
第1巻で、ハルユキに初代《赤の王》の不意をつき首を落とした話しをしているとき、
『友情より、名誉より、遥かに優先されるからだ……レベル10になることが。私はそのためだけに生きているとすら言っていい。』
この部分とそれ以降の黒雪姫の言動に齟齬があるのだ。
初代《赤の王》の首をハネる前まで、ということでもなく、この話しをハルユキにしている時点においても、どんな卑怯な手段を使ってでもレベル10になることが優先されると考えているかのような物言いだ。
なのに、第2巻以降では、初代《赤の王》の首をハネたことを悪いことだと思っている感じがどうにも引っかかる。
ハルユキに話してる時点で、どんなことより優先されるというニュアンスなので、第一期ネガビュの崩壊で考え方が変わったということでもないわけだし。
5代目クロム・ディザスター討伐の時の《零化現象》(ゼロフィル)にしたって、《ヘルメス・コード縦走レース》前夜のハルユキの部屋での会話にしたってハルユキからしたら「あれれ? 先輩、言ってること違うじゃん!」な感じが強い。
不意打ちはOKで《心意システム》がNGだという説明では納得できないほどに正統な対決以外はNGと黒雪姫が思っているような感じがしてしまうのだ。
これは作者の意図しない効果の可能性もあるが、黒雪姫が第1巻でハルユキに語ったニュアンスは黒雪姫の嘘(芝居)ということではないのか?
(そもそも「超絶加速バースト・リンカー」というWeb小説で終わるつもりだったから齟齬があっても仕方ないか、とも考えたが、書き直してるんだし、内容違うし理由にならないと思う)
つまり、初代《赤の王》の首をハネたこと自体が黒雪姫の本意ではなかった。
最初からレベル10になることより優先されるものがあるのが判っていて、それでも、初代《赤の王》の首をハネたのでは? と。
それで思いあたるのが、アーダー・メイデンを《無限EK状態》から救出する為に有田家から無制限中立フィールドにダイブする前、第一期ネガビュ壊滅について話しているときのシーン
「【UI> いえ、強いて言うなれば、あの人……サッちんを欺き、追い詰め、そして裏切ったあの人の】」
「謡」「ういうい!」
つまり、誰かに騙されて不本意ながら初代《赤の王》の首をハネるしか無い状況に追い詰められたのでは? と。
今の段階でハルユキに事情を説明できない(ういういの言う《あの人》を教えるわけにいかない)から黒雪姫が嘘をついたのではないか? と。
『アクセル・ワールド12 -赤の紋章-』で真相が語られましたね。
おまけ
攻打引(せめだいん)名義で書いていた「超絶加速バースト・リンカー」の作中での話し
黒雪姫には二歳年上の兄がいて黒雪姫の《親》でした。四年前の彼は最強と言われたバーストリンカーで《白の王》だったのです。そして、前人未到のレベル10に到達し、それと同時にダイブしたまま現実世界に戻らなくなり植物人間になっています。
黒雪姫はハルユキに自分の名前を黒羽雪子(クロバユキコ)と告げています。サッちゃんじゃなかったのね。
『さ』で始まる名前で『雪』が入ればいいなら、《さゆき》早雪、幸雪、桜雪、咲雪姫、沙雪、紗雪、砂雪、左雪、咲雪、佐雪、彩雪とか《さゆみ》紗雪美とか《さゆり》小雪里でもいいし。
原作小説5巻 ハルユキの部屋で黒雪姫のこのセリフ
「いや、それだけじゃないな。現実世界のキミ、有田春雪も……私、黒…………の…………」
ここ絶対自分の本名を言うシチュエーションだと思う。苗字の1文字目は『黒』で決まりっしょ。